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雨の日の会話(ヴィルラン+子ども)

※オリジナルキャラとして二人の子どもが出てきます。苦手なかたは閲覧をご遠慮ください※

 

 

「雨、やまないねー」
「んー?」

ヴィオレッタが窓にべったりと両手をつけて、外をみていた。
今日は外で遊ぶ約束をしていたが、あいにくの雨のため家のなかで遊ぶことになった。
が、ヴィオレッタは珍しく外で遊ぶのを楽しみにしていたようでさっきから外の様子ばかり見ていた。

「なあ、ヴィオレッタ」

腰の部分を両手で持って、俺の膝の上に乗せてやると想っていたより身体が冷えていた。
これは風呂に入った方が良いかもしれないな、とようやく父親らしいことを考えられるようになった自分に気付く。
父親、というか親というものがどういうものなのか身をもって知っているわけではない俺は、きちんと父親になれているのだろうか。
子どもたちが生まれた頃はそういうことをふと考えたりもしていた。

時間が解決してくれることもあるんだよ、とランは笑っていた。

ああ、たしかにそうなのかもしれない。

「なあに?お父さん」
「ヴィオレッタは雨、嫌いか?」
「うーん・・・きらいじゃないけど、今はきらいかも」
「外で遊べないからか?」
「うん。せっかくお父さんとお外であそべるとおもってたのに」
「そっか」

頭を撫でてやると、ヴィオレッタは嬉しそうに笑う。
ヴィオレッタはそういう顔がランに似ている。

「父ちゃんもな、昔は雨嫌いだったんだよ」
「お父さんも?」
「ああ、だけど母ちゃんのおかげで雨、嫌いじゃなくなった」

そう遠くない昔だ。
ランは子どもに教え聞かせるように、雨の物語を俺に話してくれた。
あの日みた虹の鮮やかさは忘れられない。

「お父さんってお母さんのこと、だいすきよね!」
「そりゃあ、父ちゃんが母ちゃん大好きだからお前たちがいるんだぞ」
「うんっ!」

今はもう雨音を聞いて、ひとりでいても怖くない。
ぎゅうっとヴィオレッタを抱き締めると、ヴィオレッタは声をあげて笑った。

「ねえお父さん、どうしてお母さんのおかげで雨きらいじゃなくなったの?」
「んー、それは内緒だ」
「どうして?」

もうすこし大きくなった時にでも聞かせてやってもいいかもしれない。
が、やっぱり誰かに話してしまうのは勿体無い気がしてしまう。

「ランとの二人だけの秘密だからな」

ヴィオレッタはぱちぱちとまばたきをする。
だから俺は少しだけ大人気なく、得意げに笑った。

 

アップルパイ(シュン×ココロ)

転生後のおはなしです。

 

 

 

 

「春斗、誕生日おめでとう!!」

俺の・・・恋人である心が目の前でとびっきりの笑顔を浮かべている。

「ああ、さんきゅ」
「春斗ってばリアクションつめたいなぁ」

ショックを受けたと口では言うが、俺の顔が赤くなっているのを眺めて嬉しそうだ。
テーブルの上には心が作ってくれたアップルパイだ。
子どものころはよく、母さんと二人で食べたアップルパイ。
その話をこないだ聞いたからか、心は一生懸命練習をしたようだ。
あんまり料理、得意じゃないくせに。

「ね、食べよ!」
「見た目はうまく出来てるじゃねえか」
「でしょでしょ?いっぱい練習したんだ!」

切り分けるために包丁を差し込めば、さくりと美味しそうな音がする。
ご機嫌な様子で切り分けると、皿に一つ載せてくれた。

「はい、どうぞ!あ、ろうそく!」
「アップルパイにろうそくは刺さないだろう。
いいよ、このままで」

フォークで一口分取ると口に放り込む。
黙って咀嚼する姿を心はじぃっと見つめていた。

「ん、うまい」
「やった!良かったぁ!!」「おまえも食えよ」

同じくらいの大きさをフォークにとり、心に差し出すが心は困ったような顔をして食べようとしない。

「でもこれ春斗のために作ったものだし・・・」
「その俺が食えって言ってんだから食えよ」

差し出してるのもなかなか恥ずかしい。
照れから舌打ちをしそうになるのをぐっと堪えると、心が伺うように俺を見つめた。

「・・・いいの?」
「ああ」
「じゃあ、いただきます!」

食べさせてもらうということに照れがないのか、ぱくりと頬張ると幸せだ~というように表情が緩んだ。

「美味しい!すごい上手に出来たね!」
「自分で言うなよ」
「だって練習でもこんなにうまくいかなかったもの!」

去年は心が17歳だった。
あの時、なぜだか分からないけど心の17歳の誕生日を迎えられたことに心底安堵した。
おかしいよな、初めて祝うわけでもないのに。
あのとき、心がなぜだか涙を零した。
あいつ自身、どうして自分が泣いているのか分かっていないようだったが、心自身も安堵したのかもしれない。

そうして、今日は俺の17歳の誕生日だ。
心は次の春、高校を一足先に卒業する。

「・・・なあ」
「なに?」

進学せずに就職すると心は言っていた。
どれくらいすれ違うようになるんだろうか。
心にちょっかいを出す奴が現れるんじゃないか。
そんな情けないことも頭によぎる。

「心はさ、彼氏が年下なんて嫌じゃねえの?」
「えー」

アップルパイをもぐもぐと食べる。
心は俺の言葉に少しだけ考えるように目を閉じる。

「うーん・・・」
「・・・」
「あ!春斗はもしかして知らない?」
「なにをだよ」
「女の人と男の人だったら女の人のほうが長生きするんだって!
だから、男の人が年下のほうが長く一緒にいられるよ!」

一つ年上のおねーさんを気取るように得意げに心は笑った。
ああ、なんというか・・・

「ばーか。そんなもん、知ってるよ。
それに一つしか違わないんだからあんまり関係ないだろ」
「えー、そうかなぁ。
でも、私は春斗と長くずっと一緒にいられたら嬉しいな」

どうして、心は俺がほしい言葉をくれるんだろう。
意識して紡いだわけではないだろう、その言葉に、想いに掴まれる。

 

「おまえといれて、良かった」
「え?」
「なんでもねえ、口についてるぞ」

パイくずを口の端につけた一つ年上の恋人に手を伸ばし、照れを誤魔化すように少し乱暴にそれを拭う。

「もう一切れくれよ」
「でも、おばさんと一緒に食べる分なくなっちゃうよ?」
「また作ってくれよ、いいだろ?」
「・・・うんっ!」

二人で食べたアップルパイは子どもの頃食べたものよりずっと美味しくて、きっと一生忘れないだろうな。

魔法の言葉(千こは)

「千里くん、ありがとうございます!」
「いえ、このくらい・・・」

読みたい本が本棚の後少しで届きそうで届かないところにあって困っていると、千里くんが後ろからひょいと取ってくれた。
千里くんは優しい。私の望むことを察して、こうやって手を伸ばしてくれる。

「私、千里くんの優しいところ大好きです!」
「こ、こはるさん・・・」

目の下を少し赤くし、千里くんは視線をそらしながら本を手渡してくれた。
その本を宝物のように胸の前でぎゅっと抱き締めた。
どうしましょう。最近、以前よりもずっとずっと千里くんのことを好きだと思う瞬間が増えている気がします。

 

 

 

「こはるさん、なんだか顔がにやけてる」
「あら本当。千里と何かあったのね」
「は・・・!いえ、そんなことは!」

昼下がり。
暁人くんが作ってくれたクッキーを食べながら三人でお茶を飲んでいた。
知らず知らず顔が緩んでしまっていたようでなんだか恥ずかしい。

「あ、あの・・・私最近ちょっと変なんです」
「変?どういうこと?」
「深琴ちゃんは一月さんのこと、好きすぎて苦しくなる・・・っていうことありますか?」
「-っ!ちょ、何いって・・・」

私の言葉にあっという間に深琴ちゃんは真っ赤になってしまったけれど、私はどうしても知りたくてずいっと顔を寄せた。

「ありますか?」
「・・・そ、そんなこと」
「お嬢さんがた、可愛いこと話しちゃって、青春だね~」
「い、一月!?」
「お嬢さんが大好きな一月くんですよー」

振り返ると、一月さんがにこにこしながら立っていた。

「一月さん!あの、一月さんも深琴ちゃんのこと、」
「ごめんね、こはるちゃん。お嬢さんへの愛の言葉はお嬢さんにだけ言うようにしてるんだ」

そう言って、深琴ちゃんの手をとると恥ずかしさに顔を赤らめたままの深琴ちゃんを引き寄せて笑った。

「一月!なに人前で」
「はいはい、人前じゃなきゃいいんだもんねー!いた、いたい!お嬢さん叩かないで!」

叩かれながらも一月さんは嬉しそうな顔をしていた。
相変わらず仲良しな二人だ。

「あの、七海ちゃんも暁人くんのこと」
「暁人のこと、すっごくすき。
こはるさんの言うとおり、前よりももっと好きになってるとおもう」

七海ちゃんは穏やかな表情で、そう応えてくれた。

「これが恋なんですね」

本のなかにあった物語のように綺麗なだけではないかもしれないけど。
今、私が千里くんへ抱いている気持ちは何よりもトクベツなものだ。

 

「あれ、でも誰かが言ってなかったっけ?
好きだって言い過ぎると減るって」
「え?」

クッキーの香りにつられて現れた平士くんが何の気なしに口にした。

「減るって何が減るんですか?」
「誰だったかなー、一月かロンだった気がするけど、好きって言い過ぎると減るって。
そんな事俺はないと思うけど・・・って、こはる?聞いてる?」
「あ、はいっ!聞いてます」「乙丸さん、確証もなく適当なこと言うのは良くない」
「悪い悪い」

お皿にあったクッキーが全てなくなっても、私は平士くんの言った言葉が頭のなかでぐるぐると回っていた。

 

 

 

「・・・こはるさん、どうしたんですか?」
「いえ、なんでもないです」

そう言いながらもこはるさんは僕のことをじぃーっと見つめている。
なんだろう、視線で穴が開くならもうとっくに開いていそうだ。
こはるさんの視線の原因も分からないまま作業を続けていると、木彫りの小鳥が一羽完成した。

「はい、どうぞ」
「わあ!ありがとうございます、千里くん!」

嬉しそうに両手で受け取ると、宝物だというように胸元に寄せる。
こはるさんがそうやって僕の渡すものを喜んでくれることが嬉しい。
目があうと、心臓がトクントクンとうるさい。
こはるさんの肩に手を置き、顔を寄せると意図を察して目を閉じる。
触れるだけなのに、いつまで経っても慣れない。
たった数秒が、まるで永遠のように感じられる。

「・・・はぁ」
「・・・千里くん」
「はい、」
「わたし、千里くんのこと・・・だ、」
「だ?」
「いえ、なんでもないです」
「中途半端にするのは良くないです」
「・・・でも、」

そう。
最近こはるさんがやたら言葉を途中で切るのだ。
そして、穴があくほど僕を見るようになった。
小鳥を包んでいる両手を、僕の手で包み込む。
そして、もう一度視線を合わせる。

「こはるさん、僕に言いたいことがあるなら言ってください」
「・・・千里くん」
「言ってくれないと・・・さみしいです」

なんでも話してくれた方が嬉しいし、こはるさんのことなら何でも知りたい。
それが僕にとって良い言葉なのか、悪い言葉なのかは関係ない。

「すきです、大好きです」
「・・・え?」

そういうと、こはるさんは目を潤ませた。

「千里くんのこと、すごくすごく好きで・・・
はじめて千里くんにキスされた時よりも、今のほうがずっとずっと好きです。
でも・・・」

涙が頬を伝った。

「好きって言い過ぎると減るって聞いて・・・
もしも好きだって私が言いすぎて、千里くんが減ってしまっても嫌だし、この気持ちが減るのも嫌だし」
「こはるさん」

こはるさんの頬の涙を拭ってやり、手を握る。
こはるさんに変な入れ知恵をしたのはきっと乙丸さんか加賀見さんあたりだろうか。
そんな事は今いいとして・・・
目の前の愛おしい人をじっと見つめる。

「こはるさん、僕が減ったように見えますか?」
「いいえ・・・」
「好きだという気持ち、減りましたか?」
「そんな事ないです!千里くんのこと、大好きです!!」
「僕もこはるさんのこと、大好きです。
誰に聞いたか分かりませんが、そんなものは迷信か何かです。信じないでください。
それを信じてこはるさんが僕に・・・その、好きだっていってくれなくなる方が僕はつらいです」
「・・・千里くん、ごめんなさい」
「ゆるしません」

僕の言葉を聞いて、絶望したといった表情になる。
ああ、可愛い人だ。

「こはるさんからキスしてくれたら許します」
「-っ、そんな恥ずかしいです」
「じゃあ許しません」

あまり言ってくれなくなって寂しかったのだ。
少しだけ意地悪しても許されるだろう。決心がつかないのか、こはるさんは泣いたせいで少し赤くなった目で僕を見たり見なかったり、視線をさ迷わせる。

「こはるさん」

名前を呼ぶと、焦点が僕に定まった。

「・・・目、とじてください」
「はい」

言われるがまま目を閉じる。
・・・こはるさんも緊張しているだろうが、僕だってドキドキしてる。
こはるさんの気配が動くのを感じ、きゅっと目を閉じると唇の端に一瞬だけ触れた。

「・・・これでゆるしてください」

目を開けると、顔を真っ赤にしたこはるさんが顔を抑えていた。

「ゆるします」

ぎゅっと抱き締めると、こはるさんは安心したように息をついた。

「千里くん、好きです」
「僕もこはるさんが好きです」
「・・・やっぱり、好きって言って、好きって言ってもらえるとすっごく幸せですね!」

顔は見えないけど、多分今のこはるさんは幸せそうに笑ってるんだろう。
僕の一番好きな笑顔をはやく見たい。
けど、今赤くなった顔を見せるのはなんだか気恥ずかしいから今はもう少しこのままで。

Good Night(レイユイ)

漆黒の髪、マゼンタの瞳。
私のどこが、父親似で、どこが母親似なのか・・・誰か教えてくれればいいのに。鏡を睨むように見つめていると、遠くから私の名前を呼ぶ声が聞こえる。
その声につられて、駆け出せば母上が笑って抱き締めてくれるんじゃないか
幼い自分はそんな事を願っていた。

 

 

 

「レイジさん?」
「-っ、」

はっと目を覚ますと、すぐ傍には心配そうな瞳で私を見つめる彼女の姿があった。
カーテンを閉め切っているが、日の光が僅かに差し込んでおり、寝付いてからそんなに時間が経っていないことが分かる。

「うなされていましたけど、大丈夫ですか?」
「ええ・・・大丈夫です」
「レイジさん・・・」

大丈夫だといっても心配そうな表情は変わらない。
抱き締めてあやそうと手を伸ばすと、その手を制される。
そのことに少し驚いて、視線を彼女に戻すと意を決したような表情に変わっていた。

「・・・どうしました?」

がばりと起き上がり、彼女は私のすぐ傍に正座をすると膝の上をぽんぽんと叩いた。

「・・・どうしました?」

同じ言葉をもう一度投げかけると、ようやく口を開いた。

「レイジさん、ここに寝てくださいっ」
「貴女は一体何を考えてるんですか?」
「お願いですから、少しでもいいですから」

何を思ってそんな事を言っているのか分からないが、いわれるがまま体を少し起こすとそのまま彼女の膝の上に頭を乗せた。
肉付きが良い方ではないけれど、なんともいえない寝心地に少し恥ずかしくなる。
彼女はどんな顔をしているのだろうか。顔を上に向かせようとすると、髪に触れる彼女の手に制される。

「・・・何をしてるんですか」
「いい子いい子ってしてます」
「私が子どもだと?」
「そうじゃなくて・・・レイジさんだって、誰かに甘えたっていいんです」

こうやって誰かに頭を撫でられるなんて、幼い頃の記憶を辿っても見つからない。
決して甘やかされたかったわけでも、優しくされたかったわけでもない。
生まれた順番、ただそれだけで自分は日陰の人間だった。
そして、この髪の色は一体誰に似たのか。母親であるベアトリクスも、父親であるカールハインツも黒い髪ではない。
メイドたちが私を不義の子ではないかと噂していたことも知っている。

「貴女は愚かですね」
「そうですか?」
「ええ、とても。私にそんな風に同情したって何もないでしょう」
「同情じゃないです。それに何もないってことはないです」
「ほう・・・じゃあなんだと言うんですか?」
「私はレイジさんといると、とても幸せだし、安らぎます。
だからレイジさんにとって、私も少しでもそうなれたら良いなって・・・
ごめんなさい、変なこといって」

頭をなでる手が、ふと止まる。

「誰が止めていいと言いました?」
「え、」
「私が良いというまで・・・手を止めることは許しません」
「・・・ふふ、はい」

彼女がどんな顔をして私の頭を撫でているのか。
確認したがったが、彼女の触れる手が心地よくて気付けばうとうとしはじめていた。

「いつも思っていたんですけど、レイジさんの髪って綺麗な黒髪で素敵ですね」
「貴女がそういうなら・・・この髪も悪くありませんね」

子守唄のように優しい声に包まれながら、今度は穏やかな夢が見られるのではないかと眠りに落ちた。

いつかの別れ(宗次×琴子)

鬼が本能に近いそれで主に惹かれる。
それが怖かったんだ。
自分が自分じゃなくなるような、今まで努力して積み重ねてきたものが足元から崩れ落ちるような錯覚。
俺は怖かった。

 

 

「宗次さん」
「琴子、起きてて大丈夫なのか」
「ええ、昼間ゆっくり寝ましたから」

屋敷に戻ると、琴子が待っていてくれた。
大きくなったおなかにそっと触れると、琴子がくすりと笑った。

「初めの頃はあんなにこわごわと触っていたのに」
「-っ、いいだろう!初めてのことでどう扱っていいのか分からなかったんだ!」
「ふふ、宗次さんも少しずつお父さんの意識が芽生えてきたんですね、きっと」
「・・・そうだといいな」

琴子と結婚して数年経ち、もうすぐ俺たちは二人から三人になる。

「男の子だろうか、女の子だろうか」
「どっちでしょうね」
「男の子でも女の子でもどちらでも構わない。早く会いたいな」
「そうですね」

琴子は出会った頃より綺麗になった。
あれから数年経ち、彼女は少女から大人の女性に成長した。
俺は、変わらない。
軍人として働き、自分でいうのもなんだか立派に勤めている。
しかし、俺は鬼だ。
たかが数年じゃ俺の見た目は変わらない(背は少し伸びた気がする)
鬼と人間の間に生まれるのは、人間・・・もしくは主だ。
鬼ではない。
だから俺と琴子の子どもは、俺より先にこの世を去る。

「宗次さん?」
「ああ、悪い」

先のことを考えても仕方がないのに。
誤魔化すように微笑むと、琴子が俺の頭にぽんと手を載せた。
子どもをあやすように、その手が動く。

「宗次さん、お疲れ様です」
「ああ、ありがとう。なあ・・・少しだけ抱き締めても良いか?」
「ふふ、宗次さんは甘えん坊ですね」

くすりと笑って頷いてくれたので、俺はそっと琴子を抱き寄せた。
ふわり、と花のような甘い香りがする。
左手を重ねると俺たちが繋がっている証が見える。
いつか、この証が消えてしまうんだな。

「琴子、好きだよ」
「はい、私も宗次さんが大好きですよ」

生まれてくる子どものためにも、俺はもっと頑張らなければ。
ぎゅうっと抱き締めて、目を閉じる。
失うことを考えたら怖くて仕方がないけれど、琴子がこの手を離さないでいてくれるその日まで。

「あ、」
「どうした?」
「今、おなかを蹴りました」
「本当か!?」

慌てて、琴子のおなかに耳を寄せる。
ああ、確かに動いているのが分かる。

「おまえに会えるのを楽しみにしているよ」

出会いと別れ。
別れることは身を裂かれるように辛いけれど、出会わなければこんな幸福もなかったのだ。
だから今日も彼女を俺が出来る精一杯で愛そう。

 

生まれてくるわが子に笑顔で会えるように、俺は未来に思いを馳せた。

赤いソファ(清春×露葉)

彼女には不思議な魅力がある。
俺より年上のはずが、あんまりそう見えない。
風に攫われるんじゃないかと思うくらい儚げな雰囲気を醸し出したり、
まるで狼に出会った子兎のような震え方。
なんていえばいいんだろうか。
多分、分かりやすく言うのなら『誘われてるのかな』ってしょっちゅう思う。

 

「き、清春・・・」
「んー?」
「そろそろ足しびれてきた」

露葉に甘えるように膝枕を強請り、彼女の細い腰に腕を回して抱き枕のようにして昼寝をしていた最高に幸せな午後。
後ろから抱き締め、押し倒したのはついこないだ。
スカートからすらりと伸びる脚はなまめかしい。
スカートをたくしあげ、露になった太ももに歯をたてると、露葉が驚いたように声を漏らす。

「・・・んっ!きよはるっ・・・」

本人は抵抗しているつもりらしいけど、男のオレからしたら煽られてるようにしか思えない。
こういう姿、他の誰かに見せたことあるんだろうか。

「痛くされても感じるの?露葉って」
「そんなことない・・・っ!もう、そろそろどいて」
「やーだ」

歯をたてた部分を見ると、うっすら残る歯型。
その部分を犬がご主人様を舐めるみたいに舌を這わせる。
こないだオレがつけた跡ってどれくらい残ってるんだろう。
見えるところにつけないで、と泣きそうな顔で言われたことは覚えている。

「露葉、オレの跡残ってる?」
「そんなすぐ消えないよ・・・」
「確認したいなぁ」
「-っ!!ダメだよ!伸ちゃん帰って来るかもしれないもの」

露葉と暮らしている兄代わりのような存在にもちらりと嫉妬を覚える。
この赤いソファでじゃれついたりしているのだろうか。

「つゆは」

身体を起こし、そのまま噛み付くように唇を重ねる。
オレを押しのけようと両手で胸を押してくるが、その手を片手で押さえつけ、そのままいつかのようにソファに押し倒した。
白い肌。髪の色だってオレと同じように色素が薄い。
そんな露葉が赤いソファに寝そべると、視覚的にもぐっと来る。
このソファはきっとあの人のチョイスなんだろう。
露葉に似合うとか思って選んだんだろうか。
オレが危惧するような間柄になったことは一度もないし、付き合うのはオレが初めてだと聞いたけど。
きっと露葉の知らないところで露葉は誰かの欲望の対象になっている。
ああ、ムカムカする。
深くなる口付けに次第に抵抗をしなくなっていく露葉。
唇を離すと、潤んだ瞳がオレを見上げる。
やめて、といいながら期待するような瞳で見てくるんだから・・・
我慢、できるわけないよね?

「露葉、オレ我慢なんて出来ないや」

オレがそう宣言すると、露葉は諦めたようにオレの体に手を伸ばした。

Lover(高ゆの)

一つ屋根の下に住むということはイコール!同棲ということだと思いマス。
プロポーズもようやく頷いてもらえて、晴れて僕とゆのはチャンは婚約者!ということになりまして・・・

「ねえ、ゆのはチャン。
一緒の部屋でも良いんじゃない?」

最初の頃は一日の仕事が終わると、ぐっすり眠ってしまったと話していたゆのはチャンも、
今では立派に仕事が終わってもそこそこの体力を残していられるようになった。
そのおかげ、僅かだけど恋人同士の時間というものが持てるようになった。

季節は春。
冬の間は仕事が終わってから散歩に出掛けるということはさすがに出来なかったけれど、
最近は時間が出来ると二人でふらりと散歩に出掛けるようになった。

「ダメです。他のひとたちに示しがつきません」
「そんな事言ったって、みんな知ってることでしょう?
ボクとゆのはチャンは相思相愛のラブラブカップルから新婚さんいらっしゃーい!も裸足で逃げるようなあまーい夫婦になるってことも」
「裸足で逃げるってなんですか」

くすりと笑うと、ゆのはチャンは繋いでいる手を少しだけ強く握る。
うーん、もう一押し・・・なのか。

「じゃあ、一緒の部屋で暮らすのは一旦置いておく」
「一旦?」
「そう、とりあえずね。
だから、週に何回かお泊り会をしよう!」
「・・・お泊り会っていう年じゃありません」
「えぇ、いいでしょ?お泊り会。
冬の寒い布団もしくしくと泣きながら堪えたんだからご褒美があってもいいと思うんだけどなー」

節度ある生活をすること。
公私混同しないこと。

どちらも頑張って守っているから、そろそろご褒美がほしいな、と思ってしまうのはゆのはチャンのことがすっごく好きだからなんだけど。
ちらりと様子を伺うと真剣な表情をして考えていた。
・・・この子は仕事を第一に考えすぎて、自分を甘やかすことを知らないんだから。
きっともっとボクにもたれてしまえば、楽になるのに。
それをしない強さも愛おしいが、たまには彼氏に甘えたっていいじゃないか。

「分かりました」
「え?」
「次のお休みの前の日、お泊り会しましょう」
「え!いいの?」
「もう・・・言い出したのは高平さんじゃないですか」
「でもまさかオッケーでると思ってなかったし!」

この角を曲がれば、福寿荘だ。
ゆのはチャンが立ち止まるので、ボクもそれに従う。
外灯に照らされたゆのはチャンの頬は心なしか紅潮していた。

「私も、たまには高平さんに甘えてもいいかなって」
「・・・っ」

不意打ち。
完璧に不意打ち。
甘えてくれたらいいなーとか願いすぎて幻聴かと思ってしまうくらい。

「ああ、もう」
「え・・・っ」

思い切りぎゅーっと抱き締めた。
抱き締めることもあまり許してもらえない(けど、勝手に抱きつくよね!)。
だけど今日はゆのはチャンもぎゅっと抱き締め返してくれた。

「ゆのはチャン、大好き」
「・・・私も、好きです」
「そこは大好きって言ってほしいなぁ」
「嫌です」
「ええー」

ちょっと調子に乗りすぎたかな。
でも、今日のゆのはチャンはいつもより俺に甘くて可愛くて、頬が緩む。

「ほら、戻りましょう」
「はーい」

身体を離し、手と手を繋いで歩き出す。
新婚さんになる前、残り僅かな恋人の時間。
楽しい思い出を沢山作れますように!

「まずはお泊り会だね!」

ご機嫌に笑いかけると、ゆのはチャンも笑ってくれた。

いつか君と恋をするために(空人×ほとり)

いつかの記憶。
それは遠い遠い昔-
僕が僕じゃなかった頃の記憶だ。
何もない世界にただひとり、太陽のように輝く存在がいたような気がする。

 

 

 

季節は春。
今年は受験生ということもあり、クラス替えはない。
慣れ親しんだ友人にかこまれ、いつもと変わらない日々を過ごしていた。

「なあ、空人」
「ん?なに」
「おまえ、こないだ隣のクラスの子に呼び出されてただろ?
なんで振ったんだよ」
「・・・僕、何も言ってないのにどうして振ったことになってるわけ?」
「え、OKしたのか?」
「いや、断ったけど・・・」
「だからどうして断っちゃうんだよ!彼女、欲しいだろ!」
「好きな子となら付き合いたいけど、そうじゃないなら特に良いかな」
「なんだよ、おまえ!贅沢だ!!」
「そうかなぁ」

友人からの質問に一つ一つ答えていくが、友人は腑に落ちない顔をする。
まあ、言いたいことも分かるけれど・・・
僕には僕の考えがあるというか。

「おまえ、好きな子いるわけ?」
「うーん、どうだろうな」

時々夢を見る。
懐かしいような、温かいような・・・
どんな夢だったのか、誰がいたのか、全然分からないけれど朝起きると、僕の頬はいつも涙で濡れている。
そんな夢を最近見る頻度が増えた。

 

(疲れてるのかなぁ)

父親が有名なピアニストで、世界中を飛び回っている我が家。
母親はそんな父を追いかけて、時折海外へ行くけれど僕のことを心配してできる限り家にいてくれる。
そして、父親はピアノを継がせたいという押し付けがましいことはせず、僕が弾きたい時に弾けばいいといってくれた。
幼いころはピアノを習っていたが、今はもう習っていない。
たまに趣味で弾く程度だから、そんなに上手でもない。

放課後、ほとんどの生徒は帰宅か部活へ行ってしまった校内を歩く。
珍しく誰もいない音楽室に自然と足が向いた。

夕焼けが差し込む音楽室はなんだかセンチメンタルな感じだ。
ピアノの前に立ち、鍵盤にそっと触れる。
鍵盤を押す度に単調な音が響く。
ちょっとだけ弾こうかな。
暗記している譜面を頭の中に思い描き、両手で鍵盤に触れる。
最初はぎこちない音が響くが、動かしていると自然と指が思い出すようで気付けば大好きな曲を弾いていた。

どれくらい時間が経っただろう。

ガタ、と音がして弾く手を止めると入り口のところには女の子が立っていた。

「あ、ごめん。もしかして使うのかな?」
「・・・いえ」

女の子は返事をしたかと思いきや、一筋涙を零した。

「え、どうしたの?」
「やだ、ごめんなさい。ちがうんです」

慌てて駆け寄ると、彼女は頬を紅潮させながらも涙を必死に拭おうとしていた。

「・・・っ、君は」

目をこする彼女の手を気付いたら握っていた。
セピア色の瞳が僕を見上げると、まるで夢を見た時のように懐かしくて、温かい・・・そんな感情がわきあがってきた。

「名前を」
「え」
「あなたの、名前を聞いてもいいですか」
「・・・空人」
「あきとさん・・・。どうしてだろう、なんだか凄く懐かしくて」

それは僕も同じだった。
涙を零す彼女に駆け寄ったのは、泣き止んでほしかったのに。
気付けば僕の瞳からも涙が溢れていた。

「僕も、どうしてかな。
君が凄く懐かしい」

二人で涙をこぼし、そして笑った。

 

 

 

 

 

彼女の名前はほとり。
今年入学したばかりの一年生。
部活に入っていない彼女は放課後、委員会が終わって帰ろうとしたところで、
ピアノの音が聞こえてきた為、誘われるように音楽室へやってきたのだという。

彼女も、夢を見るといった。
懐かしいような、温かいような・・・
どんな夢だったのか、誰がいたのか、全然分からないけれど朝起きると、頬はいつも涙で濡れている。
そんな夢を最近見る頻度が増えたという。

何かに引き寄せられるように出会った僕と彼女は、連絡先を交換し、一日一通だったメールのやり取りが
次第に二通、三通・・・と増えていって、気付けば『おはよう』から『おやすみ』まで繋がるようになっていた。

 

 

「なあなあ、空人。最近にやにやと誰とメールしてんだよ」
「にやにやなんか・・・」
「そういえばこないだ可愛い一年と帰ってなかった?」
「・・・黙秘権を行使します」
「ええ、なんだよ!教えろよ!!」

 

ほとりと出会って、世界が輝くようになった。
代わり映えのしない日常だと思っていたのに、彼女と出会ってから何もかもが優しく見えた。

 

「ほとり」
「あ、空人さん」

帰ろうと玄関に行くと、ちょうどほとりも帰るところだったらしい。
名前を呼ぶと嬉しそうに笑い、一緒に帰ろうと微笑んだ。

「あの・・・空人さん」

校門を出てから、ほとりは話し掛けても上の空だった。
調子が悪いのかとちらりと顔を見れば、心なしかいつもより赤い気がした。

「どうしたの?具合、わるい?」
「え!?いえ、全然!あの、その・・・」

どうにも歯切れの悪い。
無理をしているんじゃないかと思い、ほとりの額に触れてみるが

「-っ!!」
「熱はないみたいだね」「あ、空人さんっ!」
「ん?」

額に触れていた僕の手を突然両手で握り締める。
初めて出会った時のように、ほとりは俺を見上げた。

「すきです!」
「・・・え?」
「私、空人さんより年下だし、初めて会った時泣いちゃったし、妹みたいに思われてるなって分かってるけど・・・
でも、やっぱり私、空人さんのことが初めて会ったときから好きで・・・、だから、その・・・」

真っ赤な顔をしていたのは、風邪をひいたからではなくて。
泣きそうに潤んだ瞳は、勇気を振り絞ったから。
一生懸命言葉にしてくれた彼女に、何か言葉を返さなきゃと思ったのに。
気付いたら言葉よりも先に身体が動いていた。

「-っ!」

握られていた手を解くと、僕は両手で彼女の身体を抱き締めた。
多分、初めて人をこんな風に抱き締めた。
初めて触れた彼女の身体は、温かくて懐かしくて、あの夢のようだ。

「ほとり・・・ほとり、」

女の子に言わせてしまってごめん。
君が一生懸命言葉にしてくれて凄く嬉しい。
妹だなんて思っていない。
可愛い女の子だと思って意識していたに決まっている。
まるで太陽のような君を、抱き締めることが出来るなんて

「すきだよ、ほとり・・・
僕も、君に出会ったときに・・・いや、もしかしたらもっと昔から君に恋していた」

抱き締めているほとりの身体が震えた。
額を合わせると、涙を零しているほとりが笑った。

「泣かないで、ほとり」
「・・・泣いてません」
「嘘だよ、泣いてるよ」
「空人くんだって・・・泣いてるもの」

それは初めて出会った時のように。
僕たちは二人で泣いて、そして笑った。

 

 

あなたと夕食を(リッカ×ほとり)

※リッカEND後です。ネタバレですのでご注意を

 

 

 

 

ずっとずっと待っていた愛おしい人が手の届く場所にいる幸せ。

 

「ほとり」

明日から3連休。
生徒にとっても教師にとっても一大イベントである期末考査も終わってほっと一段落。
いつもなら終わらない仕事のために休日出勤になることもあるんだけど、今回は特別。

「・・・ほとり」
「きゃっ」

キッチンで煮込みハンバーグを作っていると、いつの間にか私の後ろにいた立歌君に抱き締められ、突然のことに思わず声が出てしまう。

「料理中に危ないよ!」
「何度も呼んでいるのに、あなたが上の空なのがいけないんです」
「だって・・・」
「だって・・・なんです?」

今日は久しぶりのお泊まりだ。
彼はまだ高校生だし、あまりしょっちゅう外泊をするのは良くない事だ。
二人でいるときは恋人同士だけど、私はやっぱり先生だから立歌君のそういうところを心配してしまう。
だから-

「ゆっくり一緒にいれるのが嬉しくて、つい浮かれて立歌君の声に気付きませんでした・・・」
「・・・あなたは変わらないですね」

ちゅ、と耳朶にキスを落とすと立歌君は笑った。
触れられる距離に立歌君がいることが嬉しくて仕方がないのに、こういう触れあいになると恥ずかしくて俯いてしまう。

「ほとり、フライパンが焦げてます」
「え、嘘っ」
「嘘です」

驚いて俯いた顔をあげると、立歌君はまた笑った。
焦げていない事を念のため確認し、フライパンの火をとめて後は余熱で仕上げる。
ようやく私は振り返り、立歌君をぎゅっと抱き締めた。

「立歌君の意地悪」
「ほとりが可愛いからつい苛めたくなるんです」

向き合って抱き合いながら、立歌君が私の髪を優しく梳いた。

「あの頃も思っていましたけど、ほとりの髪は綺麗ですね」
「・・・っ、そうかな」
「ええ、とても綺麗です」

そのまま持ち上げ、毛先にもキスを落とす。
髪の毛なんて、何も神経が通っていないのにどうしてだろう。体温が上がった気がする。

「立歌君の髪もふわふわして綺麗だったなぁ」

あの頃の彼は髪が長かった。
男の人なのに、綺麗だと思ったことが思い出された。
片手を身体から離し、そのまま頭に手を持っていく。
撫でると、さらさらとした髪が心地よい。

「今の髪型は気に入りませんか?」
「ううん、今の立歌君も素敵だよ」

私の言葉を聞いて、ほっとしたように笑みを浮かべる。
立歌君が笑ってくれることがとてもとても嬉しい。
頭をなでる手を滑らせて頬に触れた。

「ねえ、立歌君」
「なんですか」
「ごめんね、私が先生だから・・・堂々とデートもできなくて」

誰かに知られてはいけない恋。
私たちは先生と生徒だから、知られればどうなるか分からない。
高校生という多感な時、他のひとは堂々と恋をして、デートをしている。
私が高校生だった頃もそうだし、今の生徒たちを見ているとやっぱり堂々と付き合うことは楽しそうだ。

「ほとり」

立歌君に名前を呼ばれるのが好きだ。
彼の声で紡がれる自分の名前はトクベツなものに感じる。

「堂々とデートできないからなんだっていうんですか」

髪を梳いていた手が気付けば私と同じように頬に触れた。

「ほとりに会うために私はここにいるんです。
あなたがいないなら何にも意味はない」「立歌君・・・」
「それともあなたは堂々とデートできないから私と一緒にいたくないんですか?」
「そんなわけない・・・!!」
「私も同じ気持ちです」

ちゅ、と今度は額にキスをしてくれた。

「私が卒業するまでのたった三年足らずの時間です」
「・・・うん」

彼を待った時間に比べればあっという間だ。
彼の言葉が嬉しくて、思わず涙ぐんでしまうがここでは涙はふさわしくない。
私は彼のように優しく微笑むことは出来ていないかもしれないけど、精一杯微笑んだ。

「立歌君、だいすき」

少しだけ背伸びをし、彼の頬にキスをした。
不意打ちだったからか、珍しく彼が驚いたように目を大きくした。

「・・・あなたには敵いません」
「え?」

ぽつりと呟くと立歌君は突然私を抱きかかえ・・・いや、これはお姫様だっこだ。
唐突にお姫様だっこをされ、私は驚いてしがみつくように彼の首に腕をまわす。

「まだ、ご飯の支度・・・っ」
「ハンバーグは余熱を通しているところでしょう」
「だからもうすぐで支度終わるよ!」
「待てません」「り、りっかくん!」
「好きです、ほとり」

そう言われてしまえば私は何も言い返せない。
顔が熱い。絶対真っ赤になっているであろう顔を立歌君の肩に押し付ける。
彼に喜んでもらいたくて作ったハンバーグが、彼の口に入るのはもう暫く先になりそうだ。

12月~1月プレイ状況

年末年始に全力出してプレイしておりました。笑
あんまり新作が出ないと黙々と積みゲーが消化できるので良いですね!!
やっと積んでるゲームが40本切りそうですo(^∇^)o
いい感じにたまったので、いつものさらっとプレイ感想です~。
ネタバレも含みますのでお気をつけください~

 

 

 

 

 

デス・コネクション

マフィアとシスターのお話です。
これはね、とっても人を選ぶ物語だと思います。
そもそもが、死人と生きている人の恋なんですよ。どう転んでもハッピーエンド厳しいでしょっていうやつです。
なので、二人は幸せに暮らしました。めでたしめでたし!みたいなのじゃなくてもOKな人はぜひプレイしていただきたい。
ヨシュアがすきです。ヴィシャス√が一番好きかもですが、ヨシュア・・・ヨシュア・・・!ってなります。
あとメディシス・・・彼シャツずるいよね・・・好き

 

マザーグースの秘密の館

最初、マザーグースのお話を暗記すればいいのかと延々と聞きまくっていたんですけどカンニングできましたwww
言ってくれよwww(私が気づかなかっただけ)
ヴィンセントが予想通り好きです。でもみんな良いね!!
アーサーからは英国紳士のたしなみを教わり、エリック可愛いし、バッカスの初キス~プロポーズが最高に「あああああ」ってなるし、すごい楽しかったです!!

 

DIABOLIK LOVERS VANDEAD CARNIVAL

レイジさんが好きです。手持ち無沙汰なときにプレイしてたんですけど、FDって素晴らしいなって思いました。
みんな暴力振るわないし、優しいから楽しかったです!!
レイジさんとユーマがすきです。

 

Re:BIRTHDAY SONG / Un:BIRTHDAY SONG

こちらで個別に感想を書いてます。

 

絶対迷宮グリム

な・が・い!!!
かりんゲーですね、とっても!面白いんですけど、物語とっても長い。
そしてシステム面があんまりよろしくないな~っていうのがあって、なかなか進まなくてちょっときつかったです。

 

猛獣使いと王子様(Vita)

久しぶりにプレイしたら本命がルシアからシルビオに変わってました(遠い目
シルビオの設定はずるいよね・・・猫のまま終わることもあるし、人間になって、子供生まれるね!っていうENDもあるし、どっちも好きです。
新作、楽しみにしておりますっ!!

 

大正×対称アリスepisode 1~epilogue

こちらで個別に感想を書いてます。

 

Confidential Money ~300日で3000万ドル稼ぐ方法~  

めっちゃアメリカン!笑
アメリカンなものを全然知らないんですけど、「わ、めっちゃアメリカンだ!!」ってなりました笑
マスケティア・デスコネクションを先にやってるとめっちゃ楽しいですwww
なんていうんですかね?話的には重い話なんですけど、ノリが軽い!!
おじいちゃんの裏金盗もう!→お金なくなる!→裏組織つぶすぞ!!っていう流れです。
マイケルとルークがすきですが、みんな面白いです。
声に出して笑っちゃうようなことが多いんですけど、隠しルートでは泣きました。あれはずるいw
個人的には電話をかけるときのナタリー(主人公)が「ナタリーだよ」っていうのが可愛くて好きです!

 

アンジェリーク 魔恋の六騎士

プレイ前、「え、何この天使」って思ったのはショナでした。最高に可愛い。
ショナとユージインが好きです。本当この二人好き。
ショナの実家にお手紙出したこと、きっと両親は嬉しかったんだろうな。
それがあのEDに繋がるんだと思うと、ショナテレ尊い・・・
そしてユージインですが、けんかっぷる→おわびをかねてデートに誘われる→テレサは弟も一緒と勘違い→二人ドキドキ!
可愛いです。彼が抱える過去が重いからか、最後は記憶喪失ENDだったけども・・・
でもな、でもな・・・唯一ルノー生存√だよね、ユージイン√。
これからの未来、3人で生きていければ幸せだね・・・
最初テレサに対して違和感はんぱなかったんですけど、個別√入るころには忘れてるので大丈夫でした笑

小さな幸せ(暁七)

久しぶりの一日休み。
普段も半休だったり、一日休みはあることにはあるが、家事に追われてゆっくり休むということはあまりない。
それは決して七海が家のことをしていない、できないという事ではない。
俺がしたい事が多いだけだ。
休みの日に二人で洗濯物を干したり、料理をしたり、掃除をしたり。
そういうところにある何気ない幸せが、俺にとってはとても大事だから。

「暁人、はやく」
「ああ、わーってるよ」

俺の手を引き、ようやく着いたのは緑溢れる公園だ。
人はそこまで多くないが、ちらほら家族連れを見かける。
まだ昼には早いが、七海は持ってきたお弁当が楽しみらしく、俺の服の裾を軽く引っ張って訴えてくる。

「暁人、お弁当」
「・・・おまえ、早くないか?」
「そんなことない。暁人のお弁当が良い匂いしてるから」

小動物がじっと見つめてくるような愛らしさがある。
俺はその視線に耐え切れなくなり、七海の頭をくしゃりと撫でると少し早いが、草の上にシートを敷いた。
七海は俺が何をするか察して、嬉しそうにシートの上に座った。
向かい合って座り、持っていたバスケットから二人で作った弁当を取り出した。
弁当の定番である唐揚げに卵焼き、たこさんウィンナー。
一緒に作っていたのだから中身を知っているのに、蓋を開けると目を輝かせて喜んでくれる。

「いただきます」
「おう、いっぱい食え」

両手を合わせてからおにぎりを片手に持つと、口を大きく開いて頬張る。
俺も両手を合わせると、唐揚げを口に放り込んだ。
冷めてから味が馴染むだろうと思っていたから揚げたての時は少し味が薄いんじゃないかと思うくらいにしておいて正解だったようだ。

「うまいか?」
「うん、美味しい」

舟にいた、あの頃より表情が豊かになった。
いろんなこいつを見てきたけれど、やっぱり一番は笑った顔だ。

「暁人、どうかしたの?」
「ん、なにが?」
「にこにこしてる」
「あぁ、今日は良い天気だな」
「うん、こうやって二人でゆっくり過ごせて凄く嬉しい」
「・・・そっか」
「うん」

そよそよと優しい風が吹く。
ああ、おだやかな休日だ。
天気も良いし、休日だし、何よりも七海が隣にいる。

ふと、近くにある薄紫色の花に気付いた。
まるで七海の髪の色のような色に思わず笑みが零れた。

「七海」

最後のタコさんウィンナーを口に入れたタイミングで名前を呼ばれ、もぐもぐとしながら俺を見つめる。
俺はポケットに入れていた、いつ渡そうか渡そうかとタイミングを伺っていた・・・もとい隠し持っていた小さな花をあしらったヘアピンを七海の耳元へつけてやった。

「うん、似合うな」
「・・・・っ、暁人」

俺の行動に驚いたのか、口の中のものを慌てて飲み込むと、今しがた俺がつけてやったヘアピンへ手を伸ばした。

「まだ取るなよ」
「で、でも・・・こういうのは、私似合わない」
「おまえ、見てないだろ。それにお前に似合うと思って買ったんだから」

仕事帰り。
ふと目に留まったそれは、七海に似合うだろうと思って買ったものだ。
いつ渡そう、今日渡そう・・・いや、明日だ・・・とやっている内に一週間経ってしまった。
照れくささを誤魔化すように七海は上目遣いに俺を睨んだ。
そういう表情が、ダメなんだよ・・・すっげーよわい。

「暁人は・・・やっぱり眼科に行った方が良い」
「そんな事ねえよ、おまえは・・・・かわいい」

一緒になろうと、誓い合ったくせに未だにそういう言葉は照れてしまう。
でも俺が言わなければ、こいつは慣れないから。
少しでも慣れてくれればいいな、と願いながらそういう恥ずかしい言葉を口にする。

「・・・暁人、」
「ああ!!食い終わったんなら歩くか!」

恥ずかしさを誤魔化すように、俺は弁当箱を片付ける。
バスケットに全てしまい終わると、七海はさっき弁当を食べたいと訴えた時のように俺の服の裾を引っ張った。

「暁人・・・ありがとう」
「・・・ああ、」

俺の服を掴んでいた手を包みこむと、きゅっと握った。
うまい言葉なんて全く浮かんでこないが、ああ・・・馬鹿みたいに幸せだと自然に笑みが漏れた。

瞳にうつる(朔深)

「きゃっ」
「深琴・・・っ」

砂浜で足をとられてよろけた私を朔也が支えてくれた。

「大丈夫?深琴」
「ええ、大丈夫。ありがとう、朔也」

安心したように微笑むと、そのまま手を繋いだまま朔也は歩き始めた。
私もその後ろを歩く。
幼い頃は朔也が私の背中を追いかけることが多かった気がするのに・・・
今はこうやって朔也に手をひかれるようになるなんて。

「ふふ」
「どうかした?」
「朔也の背中を追うなんて新鮮だから」
「だって僕が深琴をずっと追いかけていたんだから」
「・・・そうね、いつだって朔也は私を見守ってくれていたわね」
「見守ってたのかな。深琴に悪い虫がつかないようにって必死だったのかもね」
「もう」

ここには私たち以外いない。
波音だけが静かに響く。
朔也の背中、大きく感じる。
普段あまり意識していなかったけれど、朔也は整った顔をしているため男性という強いイメージが湧かない。
けれど、こうして繋いだ手が思いの外骨ばっていること。
それにいつの間にか越された身長。
朔也は異性なんだと改めて実感する。

「いつ・・・」
「ん?」
「いつ、背抜かれたのかしら」
「深琴と会わない時間、長かったから」
「そうね・・・」

幼馴染だけれど、生まれてからずうっと一緒にいたわけではない。
私の孤独、朔也の孤独・・・それぞれ分かち合えない部分だってあったはずだ。
過去を振り返ったって仕方がない。
振り切るように目を閉じると、朔也の手のぬくもりだけ感じた。

「でも、これからは朔也のことで知らないことなんてないわね。
だって私達はこれからずっと一緒にいるんだもの」

そう、これからの未来は私と朔也が離れることなんてないんだもの。
繋いだ手を少しだけ強く握る。
朔也は驚いたように振り返った。

「やっぱり深琴は凄いな」
「え?」

立ち止まり、そのまま私を抱き寄せた。
繋いでいない手がそっと腰に回る。

「僕の欲しい言葉、くれるから」
「・・・朔也」

額と額をくっつけると、朔也が嬉しそうに微笑んだ。

「深琴をこうやって抱き締められる日が来るなんて、あの頃は思っていなかったよ」
「あの頃?」
「深琴より、背が低かった頃・・・かな」

幼い頃を思い出し、私も微笑んだ。
あの頃の私が今の私を見たらどんな顔をするんだろうか。
朔也との未来なんて、ないと思っていた。
生涯交わらないと思っていた私と朔也の未来が、今こうして寄り添えた奇跡。
きっと泣いてしまうんだろうな。
そんなことを考えながら、朔也の頬に触れた。

「朔也、ずっと一緒にいましょう」
「うん、もう二度と君から離れないよ」

朔也の瞳にうつる自分が、今までみた事ないくらい幸福そうにみえた。

甘い口付け(夏深)

夏彦はなかなか頑固だと思う。
根をつめている時は食事も睡眠も最低限しかとってくれない。
私からすればその最低限は最低限どころじゃなくて全然足りてないと思うが、長年染み付いた生活習慣なのだろう。
夏彦は倒れるギリギリのラインをいくのだ。

「どうしたら寝てくれるのかしら」

台所で夏彦に差し入れしようとホットチョコレートを作っていた。
買ってきたチョコレートをボウルに割りいれ、湯せんをして溶かす。
チョコレートは疲れに良いと聞いたので以前大量に買い込んでいたのだ。
少しでも夏彦の疲れが取れますように、と願いをこめながらチョコレートを溶かしていると突然声がした。

「それはお嬢さんが夏彦さんをベッドに誘っちゃうのが一番でしょうねー」
「きゃあああああ!!!」

振り返るとすぐ後ろに雪がいて、思わず悲鳴をあげてしまった。
するとすぐドアが勢い良く開き、駆けてくる足音がした。

「どうした、深琴!」
「夏彦・・・っ!」

まるで救世主のように夏彦がキッチンに入ってきたので私は夏彦の元へ逃げる。

「おまえ・・・!」
「いやいや夏彦さん!銃はおろしましょう!ただ話しかけただけでこの仕打ち!?」
「早く出て行け」
「うう、夏彦さんみたいな女の人がいればいいのに・・・」

よく聞こえなかったが、不穏な台詞をいって雪は出て行った。
夏彦は銃をしまうと私をそっと抱き締めた。

「大丈夫か、深琴」
「ええ、来てくれてありがとう」

抱き締められると、心臓がうるさい。
久しぶりに感じる夏彦の体温に少しほっとする。
夏彦の服の裾をきゅっと握ると、夏彦が息を飲むのが分かった。

「・・・深琴」

名前を呼ばれて顔を上げようとすると、なんだか焦げ臭い匂いに気付いた。

「きゃああ!!」

夏彦を押しのけて、コンロに戻ると溶かしていたチョコレートがこげていた。
折角丁寧に作業をしていたのに、と肩を落としながらコンロの火を消した。

「・・・はあ」
「どうかしたのか」
「ううん、なんでもないの。
あとでコーヒー淹れて持っていくわ」
「ああ、頼む」

頷くと、夏彦はキッチンから出て行った。
私の悲鳴を聞いて、駆け出してきてくれた事・・・凄く嬉しかった。
やっぱり疲れている夏彦に元気になってもらいたい。
私は気合を入れなおし、もう一度チョコレートと向き合った。

 

 

 

 

++++

「夏彦、入るわね」

ノックをして、彼の部屋に入る。
部屋に入ると、夏彦は少し目を細めるような表情で私を見た。
やはり疲れているようだ。

「はい、どうぞ」
「ありがとう・・・これはなんだ?」
「ホットチョコレートよ。疲れているときには甘いものが良いんですって」
「そうか、甘いな」

一口飲むと、夏彦はそう呟いた。
彼はそれを飲む姿を隣で見つめていると、あっという間に飲み干してくれた。

「ご馳走様、うまかった」
「良かった」
「これでもう少し頑張れそうだ」
「・・・夏彦」

立ち上がって、棚から資料を取ろうとした夏彦の背中めがけて私は勢いよく抱きついた。

「-っ!」
「・・・ね、ねぇ夏彦」

恥ずかしいが、言おう。
緊張から少しだけ声が上擦る。

「今夜・・・その、一緒に眠りたいの」
「-っ、それは・・・」
「・・・ダメ、かしら」

私の手を解くと、夏彦が振り返って私を見つめる。
熱っぽい瞳に驚くと、そのまま唇が塞がれた。

「深琴、俺もおまえに触りたかった」

そういう意味じゃ・・・と否定の言葉を紡ごうとするが、再び唇が重なり私の言葉はどこかへいってしまった。
休んでほしかったんだけど、私も夏彦に触れたかったんだということに気付かされた。

久しぶりの口づけは甘い味がした。

小春日和(正こは)

「正宗さんのお名前って漢字で書くとどういう字になるんですか?」

こはるに勉強を教えていたある日のこと。
ノートに文字を書いていたこはるが思い出したように口にした。

「どうしたんだ、急に」
「いえ、七海ちゃんはななつの海と書くと言っていました。
それから他のみなさんにも教えていただいたのですが、正宗さんにはお聞きしていなかったなぁ・・・と」
「ああ、そうか」

こはるが持っていたペンを手に取り、俺は自分の名前を書いた。

「こういう字だ」
「ありがとうございます!正宗さんのお名前には”正しい”という文字が入っているんですね!
なんだか凄く正宗さんらしいです!」
「そうか?」
「はいっ!」

力強く頷くこはるを見て、少しだけ苦笑いを浮かべる。
俺がしていることは正しいのかどうか、今もまだ俺自身には分からない。
だけど、無垢なこはるの瞳に映る俺は正しく見えているんだろうか。
こはるの頭をぽんぽんと撫でる。

「私の名前は・・・」
「ん?」
「私の名前が、もしも漢字だったらどういう字になったんでしょうか」
「こはるの名前か。そうだな・・・」

自分の名前を書いた下にこはるの名前を漢字で書いてみる。

「俺のイメージだと、これかな」
「小さい、春ですか?」
「ああ。こんな言葉があるんだぞ」

近くにあった辞書を手に取り、目当ての単語を探す。
頁をぱらぱらとめくっていくとようやくたどり着いた。

「ここだ」

目当ての単語を見つけ、それを指差すとこはるはそれを目で追った。

「小春日和・・・ですか?」
「ああ、そうだ。小春日和っていうのは秋から冬にかけて穏やかな暖かい日のことを言うんだ」
「秋から冬になるときに暖かい日があるんですか?」
「ああ、そうだ。珍しい日だからそういう言葉が出来たんだろうな。
まるでこはる、おまえみたいだろう?」
「え?」
「こはるが来てくれて、俺はすごく感謝しているよ」
「・・・正宗さん」

笑いかけると、こはるが驚いたように俺をじっと見つめていた。

「なんですか、遠矢さんは人目を憚ることなく自分より大分年下の女の子を口説くような気持ち悪い性癖を隠すことがなくなったんですか。
羞恥心とかそういうものはかなぐりすてたんですか」
「千里くん!」
「千里、おま・・・!」
「はっきりいってちょっと引きました。用事があって図書室に来てみたらまさかこんな場面に出くわすなんて」
「千里くん、お部屋から出てきてたんですね!」
「はい、すぐ戻りますけどこはるさんもあまり危ないヒトと二人きりにならない方が良いですよ」
「千里、おまえなぁ・・・」
「そんな事ないです!正宗さんは優しくて、とっても素敵な方です!」

千里は一瞬驚いた顔をするが、すぐいつもの表情に戻って目当ての本を抱えて出て行った。

「あー・・・その、なんだ」
「はい」「・・・続きの勉強、しようか」
「はいっ!」

ひだまりのような笑顔で、こはるは頷いた。

つたわってる?(平七)

「七海、これ食うか?」
「うん、食べる」

平士が手にしていたのはおまんじゅう。
私が頷くと、平士は手に持っていたおまんじゅうを私の手に乗せてくれた。

「なぁ、七海」
「なに?」

包みをひらき、まだ少し温かいおまんじゅうにかぶりつく。
もぐもぐと食べる私を見て、平士は嬉しそうに笑った。

「七海は可愛いな」
「・・・それはない。平士の目がちょっとおかしい。ううん、大分おかしい」
「んー、そんな事ないと思うぞー?
七海は可愛い可愛い」

平士は子どもをあやすみたいに私の頭をなでまわす。
私と平士の髪が似てるといって、出会った頃から妹みたいだと楽しげに話していた。

「・・・平士は食べないの?」
「あ、忘れてたっ!」

平士の優しげな瞳が恥ずかしくて、私は話題をそらす。
思い出したかのように平士は手に持っていたおまんじゅうを食べはじめる。

「ん、うまいな!これ!!さすが暁人!」
「これ、宿吏さんがつくったの?」
「そうそう!3時のおやつだな」
「あとで感想言いに行かないと・・・」
「ああ、そうだな。暁人も喜ぶぞ、きっと」
「・・・」

平士は私と宿吏さんの間に何があったかは知らない。
だけど、聞かないでくれる優しさに私は甘えている。
平士は優しい。

「平士はやさしい」
「ん?そうか?」
「うん、やさしい」
「そりゃ、七海には特別優しくしたいって思ってるからなー」
「?どうして?」
「だって俺、七海のこと大好きだからな!」
「-っ」

平士は甘い蜜みたい。
私をいっぱい甘やかす。
好きっていっぱい伝えてくれる。

「平士、」

食べかけのおまんじゅうを包みごと膝の上に置く。
平士の左手を取ると、両手できゅっと握った。

「-っ、どうした?」
「・・・つたわる?」
「え」
「私が、平士のこと好きな気持ち・・・つたわる?」

平士の能力は相手に自分の気持ちを伝えること。
だから、平士の気持ちが普通の人以上に伝わってくるっていうことは分かっている。
私も、彼に気持ちをつたえたい

「~っ、」

平士は目の下を少し赤く染めながらも何かに耐えるようにぎゅっと目を閉じた。

「平士・・・?」
「あああ、もう七海が可愛すぎて駄目だっ!!」

私の手をほどいて、平士は両腕でぎゅうっと私を抱き締めた。

「へ、平士・・・っ!!」
「七海、大好きだっ!!」

多分、みんなに伝わってるんじゃないかなと一瞬頭に過ったけど
平士がなんだか嬉しそうだから大人しく平士を抱き締めかえした。

【プレイ感想】大正×対称アリス

一気にプレイしたかったため、エピローグが出るのを待っていました。
ネタバレだらけの感想ですので、全編プレイした方のみどうぞ~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。
この物語は本当に本当によく出来ていると思います。
乙女ゲームでは出会った事がないような物語でした。
ただ、私はギャルゲーやらエロゲーでシナリオが工夫をこらしたようなものだったり、ミステリー小説とか普段いっぱい読んでいるので、受け入れ態勢ばっちりでした。
そんな物語。

 

シンデレラ

アリスとありすのやりとりがとっても楽しかったです!!
めっちゃ可愛い!!!!
シンデレラはよい人でしたね。くずみたいな奴かと思いきや、振り返ってみれば彼が一番まともで良い人でした。
恋人同士ですることは?みたいなので、「セックスとか?」って言っちゃうのがもう最低だなwwwwってなりましたけど、凄い楽しかったですwww

 

赤ずきん

「ぎゃああああああああああああああ」みたいに叫ばれた時、「あ、この人すきだ」ってなりました笑
女性に免疫ないというか意識しすぎて鼻血すぐ出すのとかとっても美味しいです笑
赤ずきんが実は狼っていうのは、結構想像ついていたので驚きはなかったのですが、赤ずきんがただただ可愛かったですね!!

 

グレーテル

私、こういうのすっごい好き。
弟キャラが好きな私にはなんていうご褒美√。題材としてもああいうの大好きなんです。ヤンデレ弟大好きです。そして弟狂わせたのはおねーちゃんっていう美味しさ。
群を抜いてこの√が好きです。ただ、この√のおかげでコンシューマ移植は出来ないんだろうなーって思うし、これが改変されるんならPCのままでいいんじゃないかな、とおもったり。
血がつながってないんだからありすと身体の関係になっても問題ないだろうと思いながらやってたんですけど、グレーテルにとっては恋人という代わってしまう関係ではなくて、家族というそれだけで離れることのない結ばれた状態でいたかったんだと思うと、グレーテルのことが好きになりますよね。

 

かぐや

シンデレラ√で出てきたかぐやが好みでした。
でも、これは彼の物語。たらいまわしにされてきたかぐやを自分の恋人だっていう人がたくさん現れるけど、後から話聞いてるとあれは恋人じゃなくて所有物だったんじゃないの?そして、彼女たちからすれば恋人という言葉に定義して主張するのは何か違うんじゃ・・・?と思いましたが、まぁ物語の進行上その言葉のチョイスは良いのかもしれません。
かぐやとの交換日記、可愛かったですね。あれ、とってもいい。
であったばかりの二人が少しずつ思いを深めていく様はとても良かった。
そして、かぐやを信じさせるために自分を刺すありす。
ありすは正常に狂ってるんだな、と思いました。

 

白雪

白雪√。
最初、お店のお客さんが減ったのは、お母さんに喫茶店やってるって話したおかげで悪評たてられたのかとおもってました笑
幼い頃の白雪が鏡をみて、自分じゃないって呆然としたのがどういう事なのかよく分からなかったんですけど、魔法使い√やってようやくわかりました。
アリステアが鏡にうつっていたから、自分は自分じゃないって思ったんですよね。
鏡のところで、アリス=白雪?っていう疑問はここでようやく出てきました。

 

魔法使い

探偵姿の魔法使いさん、イケメンでしたね!!
5人兄弟に対する違和感。
これがゲームだから、キャラの√によってはおかしくても良いのかな、と思いました。
そもそもあべこべな世界っていっていたので、こういう話もありかな~って思ってたら凄かったですね!!年齢じゃなくて、それぞれが生まれた順番。
そして、魔法使いさんが丁寧に時系列にまとめていく流れ、怖いですね。
ああ、なるほど・・・ひとりの人(アリステア)の物語なんだということを魔法使いが教えてくれましたね。
魔法使い√、おいしかった。魔法使いがずっと「ありす」や「百合花」って呼ばないで「ヒロインちゃん」って言ってた理由が分かった時はああ、重い・・・愛情が重くて素敵すぎるわ・・・ってなりました。つまり普段連れている猫はありすなんだよね?

 

アリス

自分が自分であるということは一体何がそう結論づけているのか。

伏線の回収凄まじい!!!
大正アリスという物語はアリステアという人を人物を有栖百合花が救う物語だと思うのです。
でも、ありすにとって事の発端は一人ぼっちだったありすにアリステアがくれたたった一言によって彼女は強くなったんじゃないかと思います。
それさえあれば、何もいらないと思う程に。
あーもうね!もうね!!エピローグ凄い良かったです!!
物語をハッピーエンドで終わったはずの彼らのもとに記憶がないありすが現れて、愛おしい人のために協力するよというものの、自分を忘れてしまった恋人に多かれ少なかれ傷ついたりするし。
でも、元の彼女が戻ってきて彼女の何が好きかといえば、自分との思い出を紡いだその人。自分を救ってくれた彼女だから愛してるんだというのは凄く良かったなぁ・・・と。
シンデレラ良かったね・・・よかったね!!!って思いました。
アリステアが目を覚まし、これからどうしていくかは分かりませんが(向き合うことが出来たけど、彼の物語はここからでしょうし)、アリスとありすは幸せに暮らせるのかな・・・と。
シリアスなシーンもアリスだからこそ重苦しくならなかったんじゃないかな!!
キスシーン凄く良かった・・・!かわいいよ、二人とも!!
アリスを演じた松岡さん、本当に凄い・・・凄いよ、と感心してばっかりでした。

 

 

 

大正アリス、凄く面白かったです!!
最愛は・・・グレーテルかな?

御伽噺(緋紅)

御伽噺というのは、ハッピーエンドがつきものだ。
こどもに夢を抱かせるためのものだろうからそれは当然だろう。

 

 

「君は飽きもせず本を読んでいるんだな」
「緋影くんも本好きでしょう?」

ページをめくる手を止め、彼女は僕を見て微笑んだ。
表情がくるくると変わる人だ。
閉じ込められているというのに、怯えたかと思いきや笑ったり、悲しんだり喜んだり・・・
僕は彼女の隣に腰掛け、わざとらしくため息をついてから彼女が読んでいる本をちらりと見ると、随分古びていた。

「どういう話なんだ、それは」
「これは茨姫だよ。
お姫様が魔女の魔法にかかって100年眠りについちゃうの」
「ほぉ。百年か」「100年経ったある日、隣国の王子様がお姫様のもとを訪れてキスをするとね、
ずっと眠っていたお姫様が目を覚ますの。
それで二人は結ばれて、幸せに暮らしましたっていうお話」
「いかにも女性が好きそうな話だな」
「そうかな?」
「だってそうだろう。
もしも僕なら目を覚ましたとき、見知らぬ奴が目の前にいたらまず警戒する。
次に百年も時が経っていたら幸せに暮らしました、なんてすまないだろう。
君だってここで目を覚ました時、不安だっただろう?」

眠り姫と違って彼女は記憶を失っていた。
自分がどこの誰か、なんという名前か、年齢は。家族は。
今までの自分を形成する全てのものを失ったというのに。
そんな御伽噺を楽しそうに読む気持ちが理解できない。

「うーん・・・そうだね。
館で目を覚ましたとき、すっごく不安だったけど・・・」

あの日のことを思い出すためか、彼女は目を閉じた。
男の前で目を閉じるなんて無防備も良いところだ。

「でも、緋影くんに会えた時安心したよ。
だからきっと眠りから目覚めたお姫様も安心したんじゃないかな」「-っ」

にこりと笑って、彼女は本を閉じると僕に差し出してきた。

「緋影くんも読んでみて、面白いから」
「・・・あ、ああ」

僕がそれを受け取ると、彼女は嬉しそうに頷いた。

「君も・・・その、迎えに来てくれる王子様を待っているのか?」
「え?」
「この物語のお姫様のように・・・」

なぜだか切迫した想いが胸の内に生まれた。
声が掠れないように慎重に言葉をつむぐ。

「私はお姫様じゃないから待ってないよ。
それにみんなで一緒に出られれば、ハッピーエンドだよね!」
「・・・ああ、そうだな」

ハッピーエンドなんて待っていない僕たちが見たささやかな夢。
震えそうになる手を強く握った。

きみの歌が聞こえる(空アイ)

歌が聞こえる。
優しい歌声が、聞こえる。

 

 

重い目蓋をこすると、思い切り伸びをした。
気付いたら眠っていたようだ。
机の上に広がる本の山。書類の束。
自分の下にあったものにはうっかりよだれが垂れていた。
ああ、いけない。大事な書類・・・ではないからまぁいいか。
日差しが差し込む部屋のなか、ぼくは一人だった。

(歌が、きこえた気がしたんだ・・・)

それは夢だということも分かっている。
ただ、幸福な夢だった。

 

 

アイネに会いたい。
ぼくが必死になるのは、アイネを取り戻したいからだ。
世界が望むのは、兵器としての彼女。
けれど、ぼくが望むのは歌姫の・・・愛音だ。
アイネの声をもっともっと聞きたいんだ。

アイネがぼくを守ってくれた二千年の間。
どんな気持ちでいたんだろうとたまに想像することがあるんだ。
ずっと会いたいと願っていた相手。
眠り続けるぼくをみて、アイネは少しでも幸福を感じたんだろうか。
・・・いや、幸福なんて言葉じゃないな。
だってぼくとアイネはまだ、何も始まっていなかったんだ。
ぼくはまだ、彼女を知らない。
歌がとても上手で、ただの女の子と変わらない・・・ぼくの好きな人だということくらいしか。

 

「アイネ、まっててね」

 

今日も彼女に会うために頑張ろう。
次に会うときは、きっと幼いぼくじゃなくてきっとアイネが微笑んでくれるような・・・いい男になっているはずだから。

二人だけの家庭菜園(暁七)

ある春の日、庭に薬草の種をまいた。
それから庭の手入れをすることが楽しくなってきて、暁人と一緒に野菜の種もまいた。
季節は夏。
ミニトマトが小ぶりだけど食べてくれといわんばかりの赤色になった。

「暁人、これ食べれる?」
「ああ、良いんじゃないか」

服の裾を広げて、籠代わりにそこに入れようとすると暁人に手を掴まれる。

「服、汚れるからこれ使え」
「暁人、めざとい」
「お前の考えてることくらい分かるっての」

収穫に使うにはちょうど良い大きさのざるを手渡される。
それにとったばかりのミニトマトを載せる。こういうことをしていると舟にいた時のことを思い出す。
結賀さんとは頻度は多くないが、手紙をやりとりは続いている。
こはるさんたちとも手紙はやりとりしており、こはるさんは相変わらず楽しそうに笑っているみたいでほっとする。
ついこないだまでは4人で暮らしていたのが嘘みたい。
今は暁人と二人だけ。
少しだけ寂しいと思うときもあるけれど、眠る時暁人が手を繋いでくれると寂しさなんてどこかへいってしまう。

ざるに載せてあった布巾でミニトマトを拭うと暁人の口元へ運んだ。

「暁人、あーん」
「な・・・っ」

暁人は驚いたように頬を赤らめて私とトマトを交互に見る。
私はもう一度、口を開くよう催促する。

「暁人、あーん」
「七海が食べろよ、それ」
「ダメ、一番最初は暁人」
「どうしてだよ・・・おまえが一生懸命育てたやつだろ」
「私が暁人に食べてほしいって思ってるから」

毎日、育ってるか見に行くのは楽しい。
少しずつ大きくなって、緑色から赤くなっていった時には感動した。
これは舟にいるときには思わなかったこと。
何かを育てる、というのはこういう気持ちになるんだって、暁人と二人で生きていくようになって分かった。

「暁人、あーん」
「・・・あーん」

ようやく口をあけてくれたので、ようやく暁人にミニトマトを食べさせられた。

「美味しい?」
「ああ、うまい」

照れを誤魔化すように口元を指でぬぐいながら暁人はそう言ってくれた。

「育てるのって楽しいね」

野菜を育てるのと、子育ては全然違うとは分かっているけど。
いつか私と暁人の間に、新しい命が宿ったら。
私は家族になれるかもしれない。
暁人となら、家族になれるのかもしれない。
そんな事を思いながら、採れ立てのミニトマトを眺めた。

 

Only Love(夏深)

自分の手の届く全てのものを守りたい。
私にはそれが出来る。
だから私は自分の足で力強く立つ。
後ろにいる誰かを守るために。

 

 

「深琴」

名前を呼ばれて振り返ると部屋の入り口には夏彦がいた。
久しぶりに髪を結おうとするとさらりと髪がこぼれて、なかなかうまくいかない。
白と黄色の二色のリボンを手にしつつ格闘していた姿をもしかして見られていたのかと思うと恥ずかしくなる。

「どうしたの?夏彦」
「いや、呼びたくなっただけだ」

そう言って、夏彦は部屋に入ることなくそのまま立ち去った。
通りがかっただけだったんだろうか?
名前を呼ばれるだけでときめくなんて事、今まで知らなかった。
初恋はいつかと尋ねられれば、いつだったろうと首をかしげる。
異性と関わることなんてほとんどなかったし、年の近い異性なんて舟に乗ってから知り合ったものばかりだ。
だから、恋なんて知らなかった。
夏彦と出会って、初めて知った感情。
誰かを愛おしいと、傍にいたいと願うことを知った。
義務じゃない、責務じゃない。
ただただ私の望み。
夏彦と一緒にいたい-
初めて、自分のためだけに願った。

 

「よし」

ようやく髪を結い上げ終わると、夏彦が再び部屋の入り口にいた。

「どうしたの、夏彦」
「いや、お前の顔が見たくなっただけだ」「部屋には入らないの?」

いつもよりぼんやりとした顔をしている。
夕べも遅くまで作業をしていたし、きっと疲れているのだろう。立ち上がって、夏彦の傍までいくと彼の手をとった。
少しひんやりとした手。
そのまま有無を言わさず、私は彼をベッドに座らせた。
私も夏彦の隣に座り、夏彦の反応を待たずに彼の頭を私の膝の上に乗せてやる。
目の下が少し赤くなった夏彦を見て、私は笑みを零した。
甘やかすように彼の頭をゆっくりとなでてやると心地よいのか、夏彦は目を閉じた。
夏彦の髪って、私よりもさらさらしている気がする。
もう少し手入れ頑張らないと。

「夏彦、お疲れ様」
「ああ、ありがとう」

 

この部屋にいるのは、誰かを守るための使命を背負った少女じゃない。
ただ、ひとりの人を愛した私だ。

hello,name(千こは)

「千里くん」

隣で僕の作業風景を見守っていったこはるさんが意を決したように口を開いた。
僕はこはるさんに贈るための木彫りのうさぎを作る手を止めて顔をあげた。

「どうかしました?こはるさん」
「・・・それです」
「え?」
「千里くんはなんで『こはるさん』って呼ぶんですか?」
「それは、こはるさんが年上だから・・・」

こはるさんにしては珍しく不満げな表情で僕をじぃっと見つめる。
その視線に耐え切れなくなり、僕はこはるさんときちんと向かい合うように姿勢を正した。

「こはるさん・・・急にどうしたんですか?」
「七海ちゃんの方が年下ですけど、七海ちゃんは暁人くんのことを暁人って呼んでます。」
「そ、それは・・・二人は付き合っているから」
「私と千里くんも、付き合っています」
「・・・それはそうです」

こはるさんが何を望んでいるのか、分かった。
つまり・・・自分も呼び捨てにしてほしいんだということ。

「・・・こはるさんだって僕のこと、千里くんっていうじゃないですか」
「千里くんは千里くんだからです!」
「僕にとってこはるさんはこはるさんです」
「・・・分かりました」

そこまで悲しそうにしなくてもいいんじゃないかというくらいこはるさんはしゅんとなってしまった。
僕だって呼びたくないわけじゃない。
もう癖になってしまったということもあるけれど、気恥ずかしいという気持ちが強い。

「こはるさん、これ」

こはるさんの手をとると、出来上がったうさぎの木彫りを3つ乗せた。

「可愛い・・・千里くんはやっぱり器用ですね」

ちょこんと乗ったうさぎを見て、ぎこちなくだけど笑ってくれた。
そんな顔をさせたいわけじゃないのに。
素直に望むことをしてあげたいし、もっと喜んでもらいたい。
一度息を深く吐きだしてから、ぐっと吸い込んだ。

「こはる」

若干声がかすれてしまったけど、ようやく言葉に出来た。
こはるさんは驚いて顔を上げると、僕の好きな笑顔を見せてくれた。

「はい!なんでしょう、千里くん!」
「その、年上だからあなたにさん付けしているわけじゃないんですけど。
癖になってしまったものはなかなか抜けなくて、でも、あなたが喜んでくれるなら・・・
もう少し頑張るようにしてみます」「はい!私も、頑張ります!
一緒に頑張りましょう!」

こはるさんは何を頑張るんだろうか。
でも嬉しそうに笑うこはるさんを見たら、もう少し頑張ってみようかなと思った。

【プレイ感想】Re:BIRTHDAY SONG・Un:BIRTHDAY SONG

あけましておめでとうございます!
今年も当サイトを宜しくお願い致します~!

さて、年末年始プレイしておりました死神彼氏!
ずっと気になってはいたんですが、PCゲームということもありなかなか重い腰が上がらなかったのですが、某声優さんのためにプレイ始めました笑
ネタバレ含みますので、プレイ済みの方推奨です~!

 

 

 

Re:BIRTHDAY SONG

シュン

もう最愛ですよね。どう見ても好きだし、どう見ても好きだし!
フクロウと戯れているスチルが一番好きだったりします。可愛い、あれ。
他人なんて、女なんて・・・!!と思っていて、周囲に壁を作っているのにココロちゃんが少しずつシュンの心を開かせていく姿はとても丁寧だったと思います。
学園生活を楽しんでほしい!シュンと仲良くなりたい!!っていうココロちゃんが押し付けがましいかもしれないなぁ、と思ったけど、シュンにはそれが必要だったんだな・・・と思います。転生ENDになるまでシュンが年下って気づきませんでした笑
転生ENDが好きです。キススチルさえない二人でしたが、最愛です。

 

ヨル

声も性格もCZのりったんにしか思えず笑
初回プレイ中からヨルはココロちゃんと関係があるんだな~と思っていましたが、シュンが終わって「ん??」ってなってました。
ヨルの幼馴染だけど、シュンと出会って?ん??ってなっていましたが、転生を繰り返しているっていうのでようやく把握。

カイリ

ミスコン出ようぜ!!ってくだりが、なんかちょっと押し付けがましいなって私は思ってしまいました。自分のことを好きになってほしいから!っていう理由ならもっと早く言ってくれよ、ココロちゃん振り回されて可哀想じゃないか・・・
でも、カイリ良かったですね!!ナミ先生√のカイリが最高にかっこいいですよね!

 

アメ

シンデレラと魔法使い。
凄いよかったですよね!??ちゃんと男の人なんだ、っていうのを手の大きさとかそういうので意識していくココロちゃんが可愛い。
魔法をかけられたみたいだっていうアメがとてもとても可愛いですよね。
転生ENDがなんかもう後ろにベッドがあるのがあざとくてあざとくて笑

ナミ

ナミ先生怖いわ!
ナミ先生に惹かれて行くココロ、可愛かったですね。
へたくそな料理を一生懸命練習したり、デート楽しんだり。
その分、後半の反動凄まじい・・・笑
後半は仲間たちとの関係が熱くて、カイリめっちゃかっこいいじゃん!!って盛り上がりました笑
でも、結局転生したら話の整合性は・・・?って思いました。
死神ENDは、なんかもう泣きました・・・幸せになっておくれ、ココロちゃん。

 

 

Un:BIRTHDAY SONG

リッカ

ほとりちゃん、可愛いですよね。
ココロちゃんが明るくて元気でおばかさんっていう子でしたが、ほとりちゃんはおとなしくて、ほんわかした子。でしたね。
静流に振られて帰ってきたほとりちゃんをやさしくあやすリッカがよかった。
そしてお酒大好きリッカ良かったです!笑
リッカはアメとなんらかのかかわりがっていうのは分かっていましたが、お姉ちゃんとそんな関係とは・・・っていう。
リッカの昔のモノローグがとても切なかったです。
そして転生してきたリッカが、ね!!!ね!!!ほとりちゃん三十過ぎても可愛すぎるだろ!!先生と生徒美味しいよね!!!大好き!

ゼン

ゼンはぶちぎれて、黙らせるためにほとりちゃんに無理やりキスしたのが許せなかったです。あかんよ、そんな事したら・・・
でも、おばかっぽいゼン可愛かった・・・!
全力でご都合主義でしたね!盲目で、事故の後遺症でピアノがひけなくなって絶望して死を選んだのに、ほとりちゃんと恋をして、そうしてEDで目を覚まして、手術を受けて目が見えるようになる。
ほとりちゃんがあんまり時間かからず幸せになったから・・・ま、いっか!
ゼンに「キスされるとおもった?」ってからかわれて「おもったよぉ~!」って言って逃げるほとりちゃんが最高にかわいい

 

静流

静流のEDずるい。
絶対死神になるENDあると思ってた。でも、あの姿だとほとりちゃんも程なくして亡くなったということだよね?死神になって幸せになりました~を経て、転生ENDください。
でも一番好きなEDはED03のほとりちゃんがおばあちゃんになって天寿を全うするとき静流がお迎えにきたところです。
あれ、凄い良かった・・・生涯愛したのは静流だけど、そうじゃなくても穏やかな幸せを手に入れて、生きてこれたということはソラも喜んでいたんじゃないかな・・・

 

ソラ

もうね・・・攻略させてくれ。
エピローグ切ないなぁ・・・もうどうやっても切ないなぁ・・・
生まれ変わったら、キミと恋がしたい。
私も見たいよ、ソラとほとりちゃんが幸せになる姿を。

 

 

 

お話としてはそこまで長くないけれど、惹かれていく過程とか凄く丁寧に描かれていたと思うので大満足です!!
久しぶりにうわぁ書きたい欲がかきたてられたので、何か書きたいな!と思います!!

眩しい(ガーネットクレイドル・サーリヤ×美紅)

待ち合わせ場所は、再会した桜の木の下。
季節は変わり、もう桜の花は散ってしまったけれど私はあの場所が大好きだ。

「お待たせ、サーリヤ!」

駆けてくる私の足音や声に気付き、彼は顔を上げた。
サーリヤは少しだけ眩しそうに目を細めた。

「あまり慌てると転ぶぞ」
「もう、そんな子どもじゃないんだから」

サーリヤは薄く笑うと、私に手を伸ばす。
だから私はそれを黙って握った。

「あのね、駅前にアイスクリーム屋さんが出来たんだって」
「そこに行きたいんだな?」
「うん!だって色んなフレーバーがあって、その中に・・・」

柘榴もあるんだと聞いた時、サーリヤに食べさせてあげたいと思った。
昔、彼が私に食べさせてくれた柘榴を思い出す。
甘酸っぱくて、今思えばあれは恋の味だった・・・んじゃないかなと思う。
そこまで口に出してしまいそうになり、思わず口をつぐむとサーリヤは不思議そうに私を見下ろした。

「どうかしたのか?」
「ううん、なんでも」「俺の姫君は隠し事が下手だな」
「・・・もう」

誤魔化すように手をぎゅっと握る。
するとさっきのようにサーリヤが目を細めた。

「ねえ、サーリヤ」
「なんだ?」
「太陽、まぶしい?」

昼の明るさにまだ慣れていないのだろうか。
彼は時折、目を細める。
聞いて良いものなのか分からず、ずっと黙っていたが最近多い気がしたのだ。
時間が経てば慣れるものなのかと思っていたんだけど、違うのかもしれない。
その不安から私はようやく疑問を口にした。

「いや、陽の光には随分慣れた。心地よい明るさだ」
「じゃあ何に目を細めてるの?」
「それはだな、」

ふ、と。
サーリヤが歩を止める。
私もつられるように立ち止まると、空いている手でサーリヤが私の頬をなでた。

「愛おしい姫君が、眩しいようだ」
「~っ!!」

自分でも分かる。
サーリヤが触れている頬からあっという間に熱が広がる。
馬鹿みたいに顔が熱い。

「・・・サーリヤって意地悪」
「何を今更」
「はやくアイス食べに行こう」
「そうだな、今日は一段と暑いようだ」

恥ずかしさを誤魔化すように睨むと、サーリヤが子どもみたいな笑みで私を見つめていた。

なんでもない夜の日の出来事(緋紅)

「うーん、そっかぁ」

本棚の片隅にあった小さなその本を黙々と読んでいると、緋影くんが部屋から出てきた。

「こんな時間まで何をしてるんだ?」
「あ、緋影くん。この本を読んでいたの」

読んでいた本の表紙を彼に見えるようにすると、眉間に皺を寄せて題名を口にした。

「誕生日占い・・・だと?」
「うん、読んでると面白いよー。不思議だよね、生まれた日付からその人のことが分かるだなんて」
「ふん、くだらないな」

緋影くんはそのまま私が座るソファーを通り過ぎ、キッチンへ行ってしまった。
確かに男の子は占いとか興味ないかもしれない。
だけど、生まれた日からどんな人か分かるなんて面白いし、それこそ誕生日から運命の相手とか分かっちゃうのかもしれない。
乙女心としては、そういうのが楽しいのだ。

「まったく・・・自分の誕生日も分からないのに、そんなもの読んで何が楽しいんだ」

緋影くんは私の前にカップを置いてくれた。
覗き込むとそこにはホットミルクがあった。

「あ、ありがとう」
「それを飲んだら早く休むことだね」
「うん、そうしようかな」

本を閉じて、テーブルの上に置くと代わりに緋影くんが用意してくれたホットミルクを口へ運ぶ。
少し砂糖をいれてくれたんだろう。ほんのり甘くて優しい気持ちになる。

「美味しい」
「・・・そうか」
「ありがとう、緋影くん」
「・・・ああ、」

緋影くんに向かって笑うと、彼はさっきみたいに眉間に皺を寄せて私から視線をそらした。
もしかしたら照れるのかもしれない。

「緋影くんって照れ屋だったり・・・」
「ん?」
「ううん、なんでもない」

あまり余計なことを言って機嫌を損ねて、部屋に戻ってしまったら寂しい。
咄嗟に誤魔化すと、さっきの本の話題にすりかえた。

「ねえ、緋影くんは何月生まれなんだろうね」
「え?」
「案外夏とかかなぁ?太陽とか似合いそうな気もするし・・・」
「・・・さあ、いつだろう」
「後は・・・なんだろう。凄く空気が澄んでる時とかかなぁ?」
「どうしてそう思うんだ?」
「私のなかの緋影くんのイメージ、かな」

澄んだ世界が似合うな、とも思うし茹だるような暑い夏の日に生れ落ちるというのも案外似合いそう。
そんな風に想像するだけで楽しくなってくる。

「答えなんて分からないのに、楽しいのか?」
「うん、楽しいよ。緋影くんについて色々と考えるの」
「そうか・・・」
「思い出したら、教えてね」
「・・・ああ、そのときは君に一番に教えるよ」
「・・・うん!」

 

 

なんでもない夜の日の、ちょっとだけ特別な出来事。
私はこの日のことを、いつかふと思い出すんだろう。
そのとき、緋影くんは私の傍にいてくれるんだろうか。
これは、まだ何も分からない頃の私の想い。

キミには俺がよく似合う(ラスラン)

「ラスティンって、なんだかこう・・・華やかよね」
「なに、俺の食事する姿に惚れ直した?」

緑の滴亭で遅めの昼食を食べている時のこと。
最後の一口を口に放り込むと、隣にいるランが俺をじっと見つめていた。
もしかして食べたかったのかと思いきや、突然の褒め言葉。
にやりと笑うと、ランはふるふると顔を小さく左右に振った。
うん、可愛い。

「そうじゃなくて、ラスティンの髪って金色でしょう?
瞳の色は赤だし、きれいだなぁって」
「さすがに俺がランの髪色だったら似合わないけどね」
「でも、ユリアナも前に言ってたの。ラスティンは花みたいだって。
それって華やかだってことでしょう?」
「うーん、どうだろうね」

くすりと笑ってランの髪を指で弄ぶ。
そういえば以前にユリアナに冗談めかして言われたことを思い出した。
俺とランが並んでいると、なんだか春の花みたいだと。
俺の反応に満足していないのか、なんて言葉を返そうか考えるように紅茶が入ったカップに口をつけた。
その様子もやっぱり可愛くて、俺は毛先にそっと口付けを落とした。
突然のことにランは恥ずかしそうに視線だけを俺によこす。
そのちょっとしたときの上目遣いとか俺はすごい好きなんだけど、ランは気づいていないんだろう。

「要はランには俺が似合うってことだよ」

 

琥珀色の恋(ヴィンセント×エリカ)

選んでもらったネクタイピンを、手のひらに載せてじっと見つめる。
琥珀の色合いに温かみがあって、土台のシルバーにもあっているように思える。
そして何より、琥珀の色があいつの目の色に似ているな、と気付いた。

「・・・綺麗だな」

男子校に通う俺としては、普段まわりに女性がいない。
その上、捨てられたと思っていた分女性に対しての心象は良くない。
けど、どうしてだろう。
自分よりも思っていたよりもずっと軽くて、柔らかい。
どうして同じ人間なのに、柔らかいんだろうと不思議だ。
手を握ろうとすると、自分の手のひらのなかにおさまってしまいそうなほど小さい。
同じ世界の人間じゃないし、性別も違う。良く分からないと思っていたのに。嫌いだと思っていたのに。

手のひらのネクタイピンをそっと握った。
エリカの手を握ったときの体温が、リアルに思い出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、ヴィンセント」

館に行くと、エリカが籠を持って歩いていた。
どうやら洗濯物を干していたらしく、もう少し早く来ていれば良かったと少しだけ後悔した。

「どうした、暇なのか」
「ええ、一段落したところなの。
お茶でも飲まない?」「ああ、いいぜ」

籠を片付けてからお茶を持ってくるというので、エリカとは一旦別れて先に客室へ向かう。
誰もいない部屋にほっとする。
・・・せっかく二人でいられるのに、邪魔をされたくない。
そんな邪な気持ちを抱くと思っていなかった。あと4回、正解してしまったら離れ離れになってしまう。
まだ4回あるとは思えなかった。

ソファに座り、ぼんやりとこれから先のことを思い浮かべる。
エリカを喜ばせたい。笑った顔が見たい。
女性を喜ばせることなんて知らなかったし、考えたこともなかった俺がこんな風に思うなんて自分でもびっくりだ。

「お待たせ、ヴィンセント」
「ああ、手伝わないで悪いな」
「・・・何か悪いものでも食べたの?」
「どういう意味だ」

軽口を叩き合うと、エリカはくすりと笑った。
ティーポットから注がれるのをじっと見つめる。
それぞれのカップに注がれた後、エリカは小さな瓶を開けてティースプーンでひとさじすくうと紅茶に落とした。
琥珀色のとろりとしたそれは、こないだの琥珀を思い出させるには充分だった。

「それ、蜂蜜か?」
「正解。
本当は蜂蜜すくうのは専用のがあるんだけど、なかなか見つからなかったからティースプーン使うことにしたの」「ふーん」
「紅茶に蜂蜜を落とすのって綺麗だなぁっていっつも見とれちゃうの」

カップの中身をかき混ぜると、それを俺に差し出す。
口をつけると、ほのかな甘味が口のなかに広がった。

「思ったより甘くないんだな」
「それが蜂蜜の良いところよね。隠し味みたいで素敵でしょ?」
「ああ、そうだな」

エリカの瞳を見つめる。
綺麗だ、と強く思う。
なんだろう、この気持ち。

「綺麗だな」
「え?」

思わず零れた言葉はエリカには届かなかったようだ。
それが嬉しいようで、少し寂しい。

「いや、うまいな」
「ふふ、でしょう」

沢山の本のなかで描かれていた恋物語のようなドラマチックなものではない。
数多の女性を口説くような技量もない。
だけど、これは俺にとっての恋なんだとエリカの淹れた紅茶を飲みながらかみ締めていた。

ちょっと早いけど、2015年プレイゲーム振り返り~

せっかくなので、2015年にプレイした乙女ゲームを振り返ろうかと思います~。
今年発売の作品以外にも過去発売されたゲームをたくさんプレイしています。
個人的なBEST10をお送りしたいと思います!
ちなみに以下が2015年にプレイしたゲームです。↓
振り返ると自分でも引くくらいプレイしてました笑

 

カレイドイヴ / 黒蝶のサイケデリカ / ARMEN NOIR / 蝶の毒 華の鎖~大正艶恋異聞~ / アルコバレーノ / 百華夜光 / マスケティア / 男遊郭 / ガーネット・クレイドル ポータブル ~鍵の姫巫女~ / しらつゆの怪 / 神なる君と / 宵夜森ノ姫 / ノルン+ノネット ヴァール コモンズ / いっしょにごはん。 / CLOCK ZERO~Extime~ / クリムゾン・エンパイア / unending bloody call / Glass Heart Princess / POSSESSION MAGENTA / お菓子な島のピーターパン / RE:VICE[D] / 魔法使いとご主人様 / マーメイド・ゴシック / SWEET CLOWN / KLAP! / 絶対迷宮おやゆび姫 / スクール・ウォーズ / 0時の鐘とシンデレラ(Vita) / ウィル・オ・ウィスプ / DIABOLIK LOVERS MORE,BLOOD LIMITED V EDITION / ノルンノネット LE / 新装版クローバーの国のアリス(途中) / レンドフルール / 源氏恋絵巻 / ゆのはなSpring! / アラビアンズ・ロスト / Jewelic Nightmare / アラビアンズ・ダウト / グリム・ザ・バウンティハンター / OZMAFIA!! / 魔女王 / うたのプリンスさま / NOISE / うたのプリンスさまSS / BAD APPLE WARS / 薄桜鬼SSL / 大正鬼譚 / デス・コネクション

 

 

 

 

 

第10位:蝶の毒 華の鎖~大正艶恋異聞~

まじまじまという言葉を見てから、真島??なんなの?と思って、PSVita版を購入しました。
結果は、まじまじまでした笑
FDもやりたくて、結局PC版の本編とFDを購入することになったので、真島さん凄いです。
でも、私は斯波さんが好きです。

 

第9位:マスケティア

ボルトスのラッキースケベな思春期!が大好きです!!
割と昔のゲームですが、デフォ名でプレイするゲームなのでダルタニアンって呼んでくれます。

第8位:大正鬼譚

最近プレイしましたが、嶽屋の可愛さはクリーンヒットです。
結構評判のよろしくない大正鬼譚ですが、私はとても好きです。嶽屋が大好きだからだと思いますが、大好きです。
久しぶりにツボに入ったツンデレでした。可愛い。可愛いです。

 

第7位:源氏恋絵巻

ロゼ最後の作品になってしまった源氏。
夕顔のEDにいたるまでのセリフがとっても好きです。
「なんにもならないかもしれない。それでもいいと思った」というような言葉が彼から出た時泣かないわけないだろう!!
紫が好きですが、ルートは夕顔が一番好きです。

 

第6位:クリムゾン・エンパイア

これをプレイしなかったら私はきっとロゼ作品はプレイしなかったと思います。
佐野ことこ先生ありがとう!!
シエラがまず見た目も中身も好みです。乙女ゲームは甘いだけじゃないんだよ?と教えてくれたような作品です。
マーシャルとのやりとりが好きです。お酒を二人で飲むの、大好きです。

 

第5位:ノルンノネットLE

一言でいうならば、尊い。につきました。
それぞれ残った課題といいますか、そういうものをクリアできたんではないでしょうか。
やっぱり暁七推しの私としては、暁人の口から「あいしてる」という言葉はああああ・・・ってなりました。
幸せになって・・・本当幸せになって。
家族の温かみを知らない不安から、家庭をもつことへの怯え。
でも、きっと乗り越えられるよね・・・という。暁七好き・・・

 

第4位:黒蝶のサイケデリカ

発売前は誰もタイプじゃないな~と思ってた私がからすばに落ちるなんて誰が思ったでしょうね?笑
どこにも進めない紅百合と前に進みたかったからすば。
あんまり語るとネタバレになったらあれなので!
大団円ENDが好きです。

 

第3位:KLAP!

自分以外にプレイしている人をほとんど見てないですけど・・・
KLAP!、発売前から凄い楽しみにしていました!奏がめっちゃかわいい。なんだよ、癒しじゃないか。
KLAPに泣ける要素が入ってくると思ってなかったから本当びっくりです。
どのキャラも良かったですよ!調教システムがなぁ・・・って思っている方も調教システム3~4回なので大丈夫!
さくさくできるから軽い気持ちでぜひ!!

 

第2位:CLOCK ZERO

待ってた。発表されてからずっと待ってた。
撫子よびを。央が攻略できるその日を。
ゲーム起動して、プレイしていくと最初にりったんが「撫子」って呼ぶじゃないですか。
その時点で鳥肌。凄い良かった・・・
央が攻略できるようになったら本命変わるのかな、とドキドキしてたんですけどそんな事なかった。
家庭に良い思いがないトラが、撫子と生きていきたい。
そのために家族になりたいと思ったというのが一番きました。
寅撫、ありがとう。

 

第1位:魔法使いとご主人様

これしかないです、私には。
沼った。一人で沼ってる。セラアリちゃん!!
マイセンがクリエンに出てるんですけど、マイセンの妹か~と発売前から見ていたわけですが、
見た目からしてアリシアタイプなんですよ。
そしてセラスもタイプなんですよ。主従ですよ?もう好きですよね。
まさか通常版から限定版に買いなおし、PSP版も買い、ビジュアルファンブックもCD、グッズも買うほどはまると思ってなかったです。
恋なんて不安定な感情のもので離れる危険性をおびたくないセラス。
だけどちょっとずつ傾いていく様がすごく良かったです。

 

多分誰とも一致しないであろうランキングですが、いかがでしょうか?
来年も多分まほごしゅ沼です!

結末はおなじ(宗次×琴子)

この恋を失うくらいなら、この喉をかっさばいても構わない

 

 

 

久しぶりに級友とお茶をして過ごした帰り道。
あまり遅くなると嶽屋が心配する。
それが分かっていたから早めに解散したというのに。
私はなぜか一人、広場に立ち寄っていた。

(・・・ここは風が心地よい)

目を閉じて、頬をなでる風を感じる。
今まで風というものを意識したことはほとんどなかったと思う。
嶽屋に出会ってからだ。
彼という存在を知り、惹かれていった時に初めて意識した。
風に吹かれると心地よくて、これは嶽屋が起こした風かもしれないなんて考えてはくすりと笑う。
そう・・・幸せなんだ。
父が決めたヒトと結婚して、華族としての地位をもっと堅実なものにする。
そう思って生きてきたのに、人生というのは分からない。ぐるりと世界は反転したようだった。
嶽屋に恋をした。
それは幸福なことだとおもう。
主として、鬼として惹かれあっただけじゃない。
だけど、

(私と宗次さんはいつまでお似合いに見えるんだろうか)

今はお似合いの二人に見えるだろう。
十年後、二十年後・・・
私は年老いていくが、嶽屋はきっと今の姿のままかもしれない。
いや、すこしは大人になるのかもしれないけどきっとお似合いね、とは言われなくなる。
そんなこと、分かっていたのに。
左手にある証に触れる。
嶽屋を縛る証。

ふと、やわらかい風が私を包んだ。

「・・・宗次さん」
「こんなところで何をしてるんだ?」

ゆっくり振り向くと、少し不機嫌そうに眉間に皺を寄せた嶽屋が立っていた。
その表情になんだか少し安堵した。

「寄り道です」
「・・・俺はあんたが帰って来るの待っていたのに」
「あら、約束の時間にはまだ早いでしょう?」
「そうだけど」

つかつかと寄ってきて、嶽屋は私をきつく抱き締めた。
大人しく背中に手を回し、抱き締め返す。
この人が好きだ、大好きだ。

「宗次さんはどんなおじいちゃんになるんでしょうね」
「・・・どうした?」
「私はあなたのそういう姿が見れないんだな、と考えたら少しだけ寂しくなりました」

少し、じゃない。
嶽屋の全てを知りたい、てにいれたい。
未来さえも、欲しいのだ。
私がいなくなった後の彼を知る術がないのが苦しい。
寂しがりやなあなたをいつか一人にすることがたまらなく悲しい時がある。

「なぁ」
「・・・はい」
「俺はあんたが最期の時幸せそうに笑ってくれたら、その後ひとりでもさみしくない」
「・・・うそつき」

私が傍にいないだけで、不機嫌になるのに。
四六時中一緒にいたいんだといったくせに。
いつの間にか目尻に浮かんだ涙を嶽屋は優しく拭ってくれた。
その表情はとても穏やかだった。

「男の意地があるんだ、俺にだって」

さみしくないわけないだろう、と笑った。
いつかの未来を恐れるなんて馬鹿だとおもう。
大切なのは今だ。

頬をなでる嶽屋の手が先ほどの風のように優しい。
嶽屋の手を握ると、私はようやく微笑んだ。

「少し散歩して帰りませんか?」

嶽屋を残して逝く未来しか待っていなくても。
それでも私はこの人の手を離す気なんてないのだ。

嶽屋は返事のかわりに私の手を握り返した。

 

11~12月プレイ状況

もう12月ですね~
今月は下旬まで乙女ゲームは出ないので、積みゲーをせっせと消化したいと思います!

 

NOISE

フォロワーさんにおすすめ頂いたNOISE。
もうね、本当ね、カミル凄い良かったです・・・!!
沼りました、カミル。ぜひプレイしていただきたいからネタバレは控えますが、主人公ちゃんが人を殺める・殺めないによってEDが違います。
胡散臭いお兄さん、大好きです・・・!

 

東京ザナドゥ

乙女ゲームではなく、RPGなんですが面白かったです!
幼馴染ちゃんORリオンが好きなんですが、誰かと結ばれるというEDはなく・・・
軽い気持ちではじめたのに、あんなに泣かされると思いませんでした・・・
ちなみに鳥海さん出てるんですけど、乙女ゲームじゃない鳥海さんが久しぶりだったので、「お、鳥海さんだ!!」って無駄にテンションがあがりました笑

 

車輪の国、向日葵の少女

これはギャルゲーです。
本編である主人公のお話より追加された法月√が凄く凄く好きです。
みぃなを迎えにいくための物語だったんじゃないかなと思ってしまうくらい好きです。

BAD APPLE WARS

ヨウサンが好きだーーーー!!!
ということでばどあぷ、サブキャラ落ちしました。どうもどうも。
ネタバレしますね?
全√をプレイして分かることですが、ヨウとサンズの関係性は恋人というわけではなくて、仲間という言葉よりも深くて重い。
家族とも違って。共依存っていうのが正解なのかもしれないですが、あの世界ではもうヨウはサンちゃんの手を離してますよね。
だけど、もう一度伸ばした時にはサンちゃんが消えてしまう。
サンズっていうのはグループ名だといっていたと思うんですが、そうしたらサンちゃんの本名はサンズではないのかな?と疑問なのですが私の思い違い?
サンちゃんはみんなより先に卒業・・・ということになりましたが、先に生還したんだと私は思っています。
(でも、アルマ√で小さな女の子の声を聞いてサンズさん?っていうからサンズは生還したんじゃなくて、生まれ変わったのかなぁ?)
ヨウにとって、サンズは太陽だったんでしょうね・・・侍のことも掘り下げてほしかった・・・
ばどあぷはこれ以上展開ないと思っているんですが、何かしら出ればいいな、と思っています。
どのキャラの√もめちゃくちゃ泣きました。アルマ√が一番好きだったりします。

 

大正鬼譚

嶽屋のために買ったんですけど、やっぱり嶽屋落ちでしたね!!
嶽屋可愛いです、嶽屋。エストとかガラハッド好きな人は好きだと思うんですよ。
めっちゃかわいいです。背がひくいことを気にしているのがかわいいし、ツンツンしてるんですけど可愛いです。
嶽屋は嶽屋√以外もめちゃ可愛いです。あさがやち√の嶽屋可愛いです。
相馬√の嶽屋も可愛いです。つまりどこでも可愛いです。
嶽屋はまだベストEDしか見てないんですけど、ベストEDも一番好きだ~

 

 

赤と青(宗次×琴子)

人間と鬼を見た目で区別するのはとても難しい。
力が強い鬼ほど、美しい容姿をしているけれどすぐ判断なんてつかない。
でも、人間と鬼で全く違う点がある。
それは血の色だ。

「嶽屋さんの血も青いんでしょうね」
「はぁ?何を突然・・・」

図書館で調べ物をしていると、嶽屋さんとばったり出会った。
パートナーを組んだ頃は、会えば口げんかばかりしていたけれど
想いが通じ合ってからは嶽屋さんは優しくなった。
・・・いや、以前から遠まわしに優しかったけど最近は直球で優しくなった気がしてる。今日だって私が抱えていた本の山を何も言わないで持ってくれた。
ありがとう、とお礼をいうと嶽屋さんはそっぽを向いて小さく頷いた。
その頬は、赤く染まっていた。
そう・・・鬼の血は青いのに、なぜか赤く染まる。

「だって嶽屋さんの頬、赤く染まるんですもの」
「・・・そんなに赤くなんてなってない」
「そうでしょうか?割とすぐ・・・」
「なってないっ!」

そういいながらも嶽屋さんの頬は再び赤く染まった。
その頬に手を伸ばし、触れてみると心なしか熱い。

「・・・琴子!」
「え?」

触れていた手をぎゅっと握り、そのままぐいっと距離をつめられる。
突然のことで驚くと、漏れた意味のない言葉さえ飲み込まされた。
唇が重なり、吐息さえも奪われそうだ。

「・・・んっ、」

口付けの音が耳に届く。
それだけでも恥ずかしいのに、ここは図書館。
他の生徒が来る可能性だってあるのに、嶽屋さんは口付けをやめない。
舌を絡め、軽く吸われたところでようやく解放された。

「・・・嶽屋さん」
「あんただって赤くなっただろ」
「そういうことを言ってるんじゃ」

嶽屋さんが慈しむような瞳で、私の頬の体温を確かめるように優しくなでた。
そんな顔をされたらもう叱れない・・・
嶽屋さんの手に私の手を重ねると、手もさっきより熱い気がした。その手を自分の口へ運ぶと、周囲に誰もいないのをこっそり確認してから手首に唇をつけた。

「-っ!?」

嶽屋さんが息を飲んだ。
手首をきつく吸い上げる。それはいつも、嶽屋さんが私にするのを思い出してのことだ。もうそろそろ良いだろうか、と想い唇を離すがうっすら赤くなったそこはあっというまに元の肌色になってしまった。

「・・・あら?」
「何をしようとしてるんだ」
「それは・・・その、いつも嶽屋さんが私につけるようなものを・・・と」
「~っ、」

嶽屋さんは私が何をしたかったかようやく理解すると、私から自分の手を奪った。

「そ、そんなこと!なんでここで!?」
「だってあれはうっ血してる状態だと聞いたことがあったので・・・
もしかしたら嶽屋さんに痕をつければ青いんじゃないか、と」

でも一瞬赤くなっただけだった。
鬼の身体は不思議なものだ、と頷くと今度は嶽屋さんが私の手に自分の手を重ねてきた。

「・・・なら今夜、確認してみればいいんじゃないか」
「え?」
「だから今夜・・・!」

何度か肌を重ねた相手。
最愛の恋人が赤くなりながら夜のお誘いをしてくれているというのに、私は可愛いなんて思ってしまった。

「笑うなよ、琴子・・・」
「ふふ、すいません。嶽屋さんが可愛くて」
「・・・なんだ、それ」
「そうですね・・・
嶽屋さんさえ良ければ・・・紅茶でもいかがですか?」

直球の言葉に素直に頷くのはまだ恥ずかしい。
私は照れを誤魔化すようにそんな提案をする。
嶽屋さんも安心したように頷いた。

 

 

 

 

翌日、嶽屋さんの身体に残った痕が赤なのか青なのか・・・
それは私だけの秘密です。