赤いソファ(清春×露葉)

彼女には不思議な魅力がある。
俺より年上のはずが、あんまりそう見えない。
風に攫われるんじゃないかと思うくらい儚げな雰囲気を醸し出したり、
まるで狼に出会った子兎のような震え方。
なんていえばいいんだろうか。
多分、分かりやすく言うのなら『誘われてるのかな』ってしょっちゅう思う。

 

「き、清春・・・」
「んー?」
「そろそろ足しびれてきた」

露葉に甘えるように膝枕を強請り、彼女の細い腰に腕を回して抱き枕のようにして昼寝をしていた最高に幸せな午後。
後ろから抱き締め、押し倒したのはついこないだ。
スカートからすらりと伸びる脚はなまめかしい。
スカートをたくしあげ、露になった太ももに歯をたてると、露葉が驚いたように声を漏らす。

「・・・んっ!きよはるっ・・・」

本人は抵抗しているつもりらしいけど、男のオレからしたら煽られてるようにしか思えない。
こういう姿、他の誰かに見せたことあるんだろうか。

「痛くされても感じるの?露葉って」
「そんなことない・・・っ!もう、そろそろどいて」
「やーだ」

歯をたてた部分を見ると、うっすら残る歯型。
その部分を犬がご主人様を舐めるみたいに舌を這わせる。
こないだオレがつけた跡ってどれくらい残ってるんだろう。
見えるところにつけないで、と泣きそうな顔で言われたことは覚えている。

「露葉、オレの跡残ってる?」
「そんなすぐ消えないよ・・・」
「確認したいなぁ」
「-っ!!ダメだよ!伸ちゃん帰って来るかもしれないもの」

露葉と暮らしている兄代わりのような存在にもちらりと嫉妬を覚える。
この赤いソファでじゃれついたりしているのだろうか。

「つゆは」

身体を起こし、そのまま噛み付くように唇を重ねる。
オレを押しのけようと両手で胸を押してくるが、その手を片手で押さえつけ、そのままいつかのようにソファに押し倒した。
白い肌。髪の色だってオレと同じように色素が薄い。
そんな露葉が赤いソファに寝そべると、視覚的にもぐっと来る。
このソファはきっとあの人のチョイスなんだろう。
露葉に似合うとか思って選んだんだろうか。
オレが危惧するような間柄になったことは一度もないし、付き合うのはオレが初めてだと聞いたけど。
きっと露葉の知らないところで露葉は誰かの欲望の対象になっている。
ああ、ムカムカする。
深くなる口付けに次第に抵抗をしなくなっていく露葉。
唇を離すと、潤んだ瞳がオレを見上げる。
やめて、といいながら期待するような瞳で見てくるんだから・・・
我慢、できるわけないよね?

「露葉、オレ我慢なんて出来ないや」

オレがそう宣言すると、露葉は諦めたようにオレの体に手を伸ばした。

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