私が聖剣に選ばれて、二度目のフロリアスがやってきた。
フロリアスが近くに迫った時はもう一年が過ぎたのか・・・とぼんやりとしてしまった。
今まで生きてきた中でどの一年よりも濃密だったなぁ。
王様に選ばれて、最初は不安ばかりだったけれど自分がどんな王を目指したいか。
それが決まった時、私はもう俯くのをやめた。
だって、私は胸を張って彼の隣にいたいから。
「姫王、晴れて良かったですね」
「うん!マリーもフロリアス、行くんでしょう?」
「はい!」
マリーは優しく微笑みながら私の身支度を手伝ってくれる。
この一年でマリーとは以前より仲良くなれたんじゃないかな。
「それでは、姫王。
私はこれで失礼致します」
「うん、ありがとう」
「姫王も、あの方と楽しい時間を過ごせますように」
そう言われて、思わず頬が熱くなる。
城中のほとんどの人が知ってるとは言え、やっぱり少し恥ずかしい。
そう、私は王になって生まれて初めて恋をした。
時計を見ると、気付けばもうすぐ約束の時間だ。
私はもう一度鏡で全身を確認し、頷く。
よし、待ち合わせの城門前に行こう。
少し小走りに待ち合わせの場所に向かうと既にそこには・・・