ちょっと休憩しようと思い、ぐっと伸びをするとバキバキっと骨が鳴る音が聞こえた。
「あれ、カルディアちゃん?」
さっきまで隣にいて真剣に俺の作業風景を見ていたはずなのに、気付けば姿はない。
ちなみに傍で眠っていたシシィの姿もなかった。
「おーい、カルディアちゃーん」
カルディアちゃんがさっき持ってきてくれたレモンティーの残りを一気に飲み干した。
氷がすっかりとけているのに、味は薄くなっていなかった。
おそらくレモンティーで氷を作ってくれたんだろう。
そういう些細な気遣いに俺は案外弱いんです。
そんなわけで休憩時間くらいカルディアちゃんといちゃいちゃしたいなーなんて下心を出しつつ姿を探す。
庭まで歩いていくと、芝生の上で丸くなって眠るカルディアちゃんとシシィの姿を発見した。
「何この可愛い生き物たち・・・!」
寄り添って眠る姿は幸せ以外何物でもない。
シシィがいない側に俺も寝そべり、カルディアちゃんをそっと抱きしめた。
二人と一匹で川の字とか親子みたいで可愛いだろう。
自然と頬が緩んでしまう。
カルディアちゃんの髪を一房掬い、そこにキスを落とす。
最愛の人が自分の腕の中にいる。
こんなに幸せなことってないだろう
暖かい日のなかで次第に俺もウトウトとしていった。
「ん、」
なんだか身体に重みを感じて私は目を開けた。
私の胸あたりにはシシィが寄り添って眠っていた。
シシィのぬくもりに心地よさを覚えながらも自分の身体を抱きしめる腕の存在にようやく気付いた。
顔だけ振り返るとインピーがすやすやと眠っていた。
どうやら私たちがお昼寝してるの見て、自分も寝たくなったんだろう。
インピーのそういうところも好き。
もう日が傾いてきており、そろそろ起きて夕食の支度もしなければ。
「インピー、起きて」
「ん~・・・」
シシィは目を覚まし、私の腕の中からするりと出て行った。
私は身体の向きを変えて、インピーと向かい合う。
頬をぺしぺしと叩くと眉間に皺が寄った。
ふふ、なんだか子供みたい。
インピーの頭をそっとなでる。
それはインピーが私によくしてくれること。
頭を撫でられるのって心地よいよね。
それもインピーが教えてくれたことだ。
「ウゥ~」
シシィがヤキモチを妬いたのか、シシィはインピーの足元へ行って・・・
「いったぁぁあああ!!!」
「あ、シシィ・・・っ!」
思い切り噛み付いた。
「シシィ、起こしてくれてありがとう」
「え!?え!?カルディアちゃん?
何か間違ってない!?」
インピーは噛まれた部分をさすりながら涙目になっていた。
「おはよう、インピー」
「カルディアちゃん・・・
可愛い笑顔で誤魔化そうとしてない?」
「全然してない」
身体を起こすと、インピーに抱きすくめられた。
私の肩にインピーが顎を乗せた。
「おはよう、カルディア」
「・・・っ!!」
「ふふん、ドキっとした?」
身体を離し、得意げに笑うインピー。
それがなんだか悔しくて、私は顔を背けた。
「ドキっとなんてしてない」
「そっか」
「信じてないでしょ?」
「俺がカルディアちゃんを信じてないわけないじゃん」
「・・・うん」
インピーの顔を上目遣いで見ると、インピーが少し照れた。
そんな私たちに耐え切れなくなったのか、私たちの真ん中にシシィが飛び込んでくるのはもう少し後。