「・・・あんた何着てんの?」
肉体を得たウンバラは勇んで服を着替えた。
いつも半裸で練り歩いているくせに、今日はなにやら着込んでいる。
それがどうみてもうさんくさい。
「嫌ですよぅ、姫様ー!!
これはスーツっていうイケてる男が着るものですよ!」
えっへん、とウンバラが胸を張る。
私はあんまり見たことがない衣装だけど、ウンバラがそう言うならそうなのかもしれない。
「あんたにそういう格好は似合わないよ」
「ええ、じゃあ姫様はどういう格好が好みなんですか?」
「わたしは・・・いつものあんたが好きかな」
半裸で練り歩くのはいかがわしいとかイシュマールに言われそうだけど、ウンバラといえばそれだから。
着飾る必要はないのかな、とわたしは思うんだけど・・・
「姫様は唐突に核爆弾を落としますよね。
私だって男ですから、ちょっといいことを言われると理性とか色々吹っ飛んでいってしまいますぅ」
「あんた、そう言いながらわたしに変なことした事ないじゃん」
いつだって理性が、とか男として・・・とか言うけれどウンバラがわたしに何かした事はまっっったくない。
好きだ好きだと言いながら何もない。
「姫様・・・それは私を試していますか?」
伺うようにわたしを見てくるウンバラにチョップを食らわす。
「いたっ!!」
「試してなんかいないっつーの!
好きならもっと行動に示せっていってんの!」
「・・・っ!」
ぷいっと顔を背ける前に見たウンバラの顔は赤くなっていた。
たまにはわたしを赤面させてみろっつーの
「姫様・・・っ、ぎゅってしてもいいですか?」
「聞かないですればいいじゃない」
「・・・じゃあ抱きしめます」
後ろからぎゅっと抱きしめられる。
その腕に安堵する。
ウンバラの体温がこんなにも好きなのに、なかなか触れてこないから・・・折角触れ合えるのだからもっと遠慮しないで抱きしめればいいのに。
「ウンバラ、好きだよ」
「私はその数万倍は姫様を愛してます」
「はいはい」
「姫様ー!もっと信じてくださいよぉ!」
信じてるよ、ウンバラのこと。
耳元で騒ぐウンバラに攻撃を仕掛けるのはもうすぐ。