見上げる瞳(諸関)

書類をまとめ終わり、外へ出ると関羽が洗濯物を干していた。
後姿からでも十分に分かる機嫌のよさ。

「暢気だな、お前は」

後ろから抱き寄せる。
そのまま、耳を甘噛みするとぴくん、と身体が跳ねた。

「ちょ、諸葛亮・・・っ、ここ外よ?」

「ああ、分かってる」

洗濯物で見えるわけがないだろう。
第一、そんな表情をしているお前を他の男に見せる趣味は私にはない。
そう言ってやりたいが、羞恥心で顔を真っ赤にする姿を見るのが好きなので教えてやらない。

「今洗濯物干してるのに」

「静かにしろ」

関羽の唇を指でなぞると、関羽がちろちろと舌でその指を舐める。
その姿はまるで子猫が水を飲むときのような姿で煽られる。
外だといっておきながら、どうしてこう煽る真似をするんだ。

「関羽、舌を出せ」

その指を移動させ、顎を軽く持ち上げる。
言われた通りおずおずと出された舌に自分のそれを絡める。
僅かに漏れる甘い声に少しずつその気になっていく自分がいた。
少しからかおうと思っただけとはもう言えない状況だ。

「・・・はぁ、しょかつりょう・・・」

唇を離すと、潤んだ瞳で俺を見上げる。
はぁ、とため息をつくと不安げに耳が下がる。

「来い、馬鹿者」

「馬鹿者って・・・!」

その手を取って、そのまま中へ戻る。
煽った責任、とってもらうまで離すつもりなんてない。

 

 

 

 Heaven’s様 「抱きしめたくなる10のお題 」

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