恋に落ちる音がした(ガウェアル)

今まで俺は鍛錬一筋に生きてきた。
強くなりたいー
ただ、その一心で駆け抜けてきた人生だと思う。
あいつに会うまでは・・・

 

 

「あー・・・あー・・・」

聖剣に選ばれた少女、アル。
新しい主が女だなんて・・・と思っていたのに。
すっげー可愛い顔で笑うから、俺は驚いた。
初めて、胸が締め付けられた。
怪我をして、身体が痛むことは今まで何度もあった。
けれど、こんな風に怪我も何もしていないのに、胸が苦しいだなんてどういう事だ。
訓練の休憩時間、俺は庭園が見える回廊にいた。
そこから眺める景色が好きだった。

 

(・・・っ!!)

庭園を散歩するアルがいた。
驚いて、息を飲んだ。
嬉しそうに花を眺める少女は、今まで見たどんな女よりも可愛くて、綺麗だった。
あまりに見つめすぎていたせいか、アルが俺の視線に気付いて顔を上げた。
そうして、俺の姿を見るとさっきまで花を見て微笑んでいたその表情を俺に向ける。
大きく手を振っているその姿に、俺は胸が高鳴るのを感じていた。
手を振り返すなんて、正直すごく恥ずかしいが無視することなんて出来なくて
俺はぎこちなく手を振り返した。

 

 

 

(くそ・・・なんでいちいち可愛いんだよ)

 

俺の前に突然現れたその少女は俺の心をかっさらっていった。

 

 

 

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