「カズヤくん、ちょっと重い・・・かな」
休日の昼下がり。
カズヤくんは私の家に遊びに来ていた。
二人で本を読んだり、最近あった出来事を話したりしていたんだけど、机の角と角に座っていたはずなのに。
気付けばカズヤくんの身体はべったり私にくっついていた。
「アイの体温きもちいいから」
幼い子供が甘えるように、カズヤくんは上目遣いに私を見て微笑んだ。
カズヤくんのそういう仕草に弱い。
私もカズヤくんの体温は心地よいし、カズヤくんが甘えてきてくれるのは嬉しい。
「カズヤくん、他の人にはこうやってくっついちゃ駄目だからね?」
「ん?」
カズヤくんの髪が、私の頬に触れてくすぐったい。
恥ずかしくなって、私は膝の上で両手を組んで指を絡める。
「だから・・・他の、女の子にはこういうことしたら勘違いしちゃうっていうか」
「俺、アイにしかしないよ?」
「・・・えと」
「アイ以外の人には俺、くっつきたいと思わないから」
はっきりとした口調に私は思わずカズヤくんの顔が見たくなって隣を向いた。
「-っ」
カズヤくんの顔がすぐ合って驚いて息をのむ。
カズヤくんはふんわりと笑うと、そのまま顔を近づけて、私の唇に自分の唇を重ねた。
「アイ、大好き」
そのまま崩れ落ちるように私の膝に頭を乗せて、目を閉じた。
身体を胎児みたいに丸めると、気付けばすぅすぅと寝息が聞こえた。
私は、というと驚いて固まってしまっていた。
(え?だって、え?
さっきのって、キ・・・キスだよね?)
段々と実感が湧いてきて、気付けば顔が熱くなっていた。
眠るカズヤくんの顔を見つめれば、あどけない顔をしていた。
さっきのキス、どういう意味なんだろう。
カズヤくんが目を覚ましたとき、私は聞けるのかな