ティファレトのベッドで二人で寄り添う。
行為の名残が残る肌は熱を帯びているのに、離れたいと想わない。
触れている部分から伝わるその熱が彼がこの世界で生きていると安心させてくれる。
「今日は帰らなくても大丈夫なんだよね?」
「うん、外泊届けだしてきたから大丈夫だよ」
しょっちゅう外泊をするのはさすがに気が引けるけれど、
やはりこうして時間を気にしないで一緒にいられるのは幸せだと思う。
「ランの肌は綺麗だね、俺のものって証を残したくなる」
「・・・もう」
さっきも散々つけたのに、独占欲の強い彼はそうやって自分のものだという証を残したがる。
「そんな事しなくたって、私はティファレトのものだよ?」
「・・・ラン、君は僕を甘やかすのが上手だね」
私の髪をすくうと、そっとキスを落とされる。
ティファレトは起き上がると、ズボンだけ履いてベッドから降りる。
「お水、君も飲む?」
「うん、お願い」
「じゃあ待ってて」
そういって部屋を出て行く後姿を見送る。
ふと、窓の外を見ると、すっかり暗くなっていた。
シーツを羽織って、窓に近寄り、空を見上げる。
「星だ・・・」
ティファレトと以前見た星空を思い出す。
あれには随分見劣るけれど、綺麗な星空だった。
「何見てるの?」
気付けば後ろからティファレトに抱きしめられていた。
「星を見ていたの」
「ああ、綺麗だね」
「うん・・・」
「でも、僕にとっては君の方が綺麗だよ」
耳朶にそっと口付けられて、身体がぴくりと跳ねる。
それで気分を良くしたのか、ティファレトはそのまま首筋にもキスを落とした。
「・・・ティファレト」
「好きだよ、ラン」
「私も、あなたが大好き」
だから振り返って、今度は私からキスをした。