山田さんの行動にいちいち舞い上がったり、凹んだりする自分に気づいたのはこないだのこと。
佐藤くんにも残念ながら勘付かれているようで、山田さんがいつものごとく抱きついてきてもリアクションに困る。
「そーまさんっ!山田、おつかいにいってきます!」
「あー、気をつけてね」
「それだけですか?」
俺の言葉を聞いて、若干不満げな山田さん。
きっと俺についてきてほしいのだろう。
だけど、仕事中なわけだし、それは難しい。
「早く帰っておいでね。変な人についていかないようにね」
「はい!わかりました!
相馬さんが寂しくないように早く帰ってきます!」
元気よく返事をし、俺の苦笑いを照れ隠しかなんかと受け取った山田さんは上機嫌で出かけていった。
「相馬・・・お前のタイプと真逆なんじゃなかったっけ?」
「・・・あー、そうだね」
金髪で、巨乳で、ドSで頭が良くて・・・・
山田さんは黒髪だし、お世辞にも巨乳とか頭が良いとかいってあげれないね。
「お前と山田の年齢差、若干怖いな」
同い年の轟さんに恋しちゃってる佐藤くんにはわからないだろうけどさ。
「今の年齢差は大きく感じても、成長すればあんまり関係なくなるよ」
成長して、変わっていく彼女を見るのも楽しいだろうしね。
俺がそういうと、佐藤君は「足長おじさんみたいだな、お前・・・」と笑われた。
「俺好みに育てるよ」
なーんて言ってみたら、光源氏みたいで笑えてしまった。