無自覚にも程がある。(俺様ティーチャー/早坂×真冬)

放っておけない奴。
目を離すと何しでかすのか気になる奴。
なんだかんだで居心地が良い。

今まで、こんな事ってなかったよな。
そう思い返す自分の今までの学校生活。

隣を見れば、黒崎がいる。

「ところで、」
黒崎が綾部のところへ昼飯を食べに行っている為、
今日は由井と二人で昼飯を食べていた。

「早坂と黒崎は付き合っているのか?」
「ぐっ・・・!」
口に入れたばかりのパンが思わず口から出そうになるのをなんとか押しとどめ、お茶を一気に流し込んだ。
「慌てて食べては駄目だぞ、しっかり噛んでだな」
「おいっ!俺と黒崎は付き合ってねぇよ!」
「そうか。いつも一緒にいるからそうなのかと」
「お前だって一緒にいるじゃねぇか」
「そうか。それなら俺と早坂が・・・」
「いや、付き合ってねぇからな。俺たち。
気持ち悪い事言ってんじゃねえ」
由井がどうでもいい事を言うから、黒崎がいない事に対して違和感が生まれる。
「いつも一緒・・・か」
「なんか言ったか?」
「いや、なんでもねぇ」
そういえば、黒崎が転入してからなんだかんだ一緒にいるな。
黒崎を異性として意識した事はあまりないが、黒崎の過剰なスキンシップにはたまにどうしていいか分からなくなる。
そもそも、あいつが俺を異性として意識していないから平気で抱きついてきたり出来るんだよ。

ふ、と思い返すと黒崎が俺以外の誰かに抱きついてるのを見た事がないのに気づいた。
それって俺を意識してないから?
それとも、俺を意識しているから?
単純に見えるのに、黒崎ってよく分かんねぇ。

「あれ、忍者来てたんだ」
黒崎が教室に戻ってきた。
さっきまで一緒だったくせに、今顔を見て安心している自分がいた。
「おう、黒崎。お前が浮気をしているから早坂が寂しがっていたぞ」
「なっ!」
由井の言葉を聞いて、きょとんとした黒崎だったが、次の瞬間キラキラとした瞳になって俺に飛びついてきた。
「早坂くんっ!私いなくて寂しかったの!?」
「そんな事、一言も言ってねぇだろ!」

嬉しそうに抱きついてくる黒崎を口で言う程煩わしく思わなくなっている自分がいるなんて。

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