夢(ヴィルラン)

小さい頃、仲の良い両親を見ていて素敵だなぁっと子供ながらに思った。
いつか私も好きな人が出来て、お父さんとお母さんのように寄り添って生きる時が来たら私もそうなりたい。
そんな風に思っていた。

 

 

私の隣に穏やかな顔をして眠るヴィルヘルムを見つめる。
何も気負わないでいるからなのか、寝顔は驚くほど幼く見える。
可愛くてついつい手を伸ばして頭をなでてしまう

「ん・・・」

寝返りを打つと、私を抱き枕と勘違いしたのか引き寄せられてあっという間に腕の中に収まる。
寝ているとわかっていても恥ずかしくて思わず彼の顔を見上げるが、やはり穏やかな寝息を立てている。
最初の頃はそういう事をした後、私は疲れてあっという間に眠ってしまい、ヴィルヘルムに起こされるまで目を覚まさなかった。
だけど、今は彼より先に目を覚まして寝顔を見ることが出来る。
それは多分、ヴィルヘルムが私の身体を労わってくれてるから。
異性に興味がなかったという彼は、私との積み重ねで学習していく。
照れくさい気持ちもあるけど、それよりも嬉しさが何より勝る。
彼のそういうものは私のために身についていく。そう考えるだけで胸がいっぱいになる。
私も彼が喜ぶことをしてあげたい。
与えられるだけじゃなく、与えるような-
二人で支え合えたら幸せだな。
お父さんとお母さんみたいに子供が見ても仲が良いなっておもうような二人になりたい。

「・・・ラン、」

ぱっと顔を上げるがやっぱり眠っている。
私の夢を見てるのかな?
起きたらどんな夢だったか聞いてみよう

(大好きよ、ヴィルヘルム)

彼に寄り添って目を閉じる。
私も同じ夢、見れたらいいな。

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