姫様、私の姫様-
私はあなたを
「ウンバラ、狭い」
「えぇーっ!姫様、ひどぉいー!!」
ウンバラを失ってから、取り戻すまで私がどれだけ努力したか。
ウンバラを失う前の私が今の私を見たらきっと驚くだろうな。
そんなことを考えていたらベッドの中でウンバラが私を抱きしめてきた。
久しぶりに感じるウンバラの体温・・・っていっても以前は触れる事なんてほとんど出来なかったんだから懐かしさは大してないけれど。
「姫様、姫様」
耳元でウンバラの声がする。
「なに、うるさいんだけど。あんた眠くないの?」
「ぜーんぜん眠くないですよー!だって姫様がこうして私の腕の中にいるんだから眠くなるわけないじゃないですかぁ~」
私の髪に頬擦りするウンバラに少し呆れるけれど、そのうざったい感じがウンバラらしくて懐かしくなる。
「ウンバラ・・・」
振り返って、ウンバラの胸に頬を摺り寄せる。
私を抱きしめていた腕はそのままの状態で動かないので、ウンバラの顔を見上げると真っ赤な顔をしていた。
「ウンバラの顔色、すっごい変なことになってるけど」
「それは姫様のせいです!」
「ん?」
「・・・もう、いいですよーだ」
ウンバラがようやく私をさっきみたいに抱きしめる。心地よいぬくもりに私は自然と目を閉じる。
「姫様・・・私も一応男なんですぅー」
「知ってるよ、そんなこと。
そもそも、私が女を好きになるわけないじゃない
変なこといわないでよ」
「姫様・・・だから、その」
「なによ」
せっかく気持ちよく眠れそうだったのを邪魔されて少しだけいらだってウンバラの顔を見る。
「久しぶりにお会いした姫様は以前にも増して美しくなっていて、以前ならなかった胸とかこう・・・一人前の女性になっていて」
「あんた喧嘩売ってんの?」
「ですから!私も男ですからこんな風にくっついてると色々と我慢が出来るかどうか・・・」
後半の台詞はどんどん小さくなっていった。
私はぱちぱちと瞬きをしてウンバラを見つめる。
「ちょ、姫様・・・そんなに見つめないでください」
「ねぇウンバラ」
ウンバラの顔を両手で挟み、唇を寄せる。
「私、あんたが好きだって言ったよね?」
「はい」
「だからこういう事とか、もっとその先とかしたいよ」
会いたくても会えなかったんだから今すっごく嬉しいの。
ウンバラをもっと近くに感じたい、と思えるくらいに私は喜んでいる。
それをなんでウンバラがぐっとこらえるのかがよく分からない。
「姫様・・・」
ウンバラの顔が近づいてきて、私はきゅっと目を閉じる。
彼の唇が触れたのは私の額だった。
「姫様、私は姫様を愛していますよ。
だから、こういうことはもっと大事に楽しみたいんです」
「は?」
まじめな顔をしてたウンバラは誤魔化すように私を強く抱きしめる。
「姫様、大好きですよ。姫様」
「うん、私も好きだよ」
よく分からないけど、ウンバラの気持ちが固まるまで待とうかな。
だってこれからはずっと一緒にいるんだから。