つも待ちきれなくていれちゃうから上手に出来なかったのかな」
オレの横で頷きながらオレに言われたとおりに動く。
パスタをゆでている間にオレはえびの殻を剥いて、彼女にはキャベツをざっくりと切ってもらう。
「なんかこうやって二人でキッチンに並んでるのっていいよね」
一生懸命キャベツを切る彼女を見ていると笑みがこぼれる。
可愛いなぁって本当に想う。
「新婚さんみたいだよね」
「っ!クラエスったら!」
オレの言葉を聞いて、顔を真っ赤にした彼女を見て、俺は再び微笑んだ。
「ご馳走様でした!」
「クラエスのおかげで美味しく出来てよかった」
食べ終わって、食器をさげるとオレは冷蔵庫からロールケーキを取り出してお皿に盛る。
紅茶を彼女が淹れてくれようとするのをさりげなく拒否して、オレが紅茶を用意する。
食事も美味しく作れたし、彼女も嬉しそうだし、安心しちゃったな。
「オレだけのおかげじゃないよ。
君が一緒に作ってくれたから美味しくなったんだよ」
「そうなら嬉しいな」
ロールケーキを一口、口へと運ぶと幸せいっぱいの顔をした。
「クラエスのケーキ、本当に美味しい!
私、すっごく幸せだわ!」
「君が美味しいって言ってくれたらいいなって気持ちを込めて作ったからね」
「ありがとう、クラエス」
紅茶を飲みながら彼女が食べる姿を見つめる。
好きな人がオレの作ったものを食べて喜んでくれるって本当に幸せ。
二人で他愛のない話をしていると時間はあっという間に過ぎていった。
「あ、もうこんな時間。
クラエス、帰らなくて大丈夫?」
時計を見ると、いつもなら帰る時間だ。
「ゲルダ・・・明日仕事は?」
「明日はお休みよ」
「・・・実はさ、オレも休みなんだ」
「え?」
「いや、さっき帰ろうとした時に水道管が爆発してさ。
修理に明日一日はかかるから明日は臨時休業って急遽決まったんだよね」
だから、今日は帰らなくても大丈夫なんだって言うとゲルダは少し頬を赤らめた。
「じゃあ・・・その、今日はずっと一緒にいられるの?」
「君がいていいって言うなら」
「いてほしいに決まってるわ!
・・・ちょっと恥ずかしいけれど」
恋人同士になってから、休みが重なれば泊まることもあったけれど
片手も泊まっていない。
だから気恥ずかしい気持ちも、ある。
「今日はずっと一緒にいよう?」
そっと彼女の手を握ると、こくりと頷いてくれた。
オレが一人前になったら、立派なウェディングケーキを作って、新婚旅行へ行って、
二人で同じ家に住んで、こうして一緒のベッドで眠る。
未来を思い描くだけでこんなに幸せになれる。
「好きだよ、ゲルダ。
誰よりも、君が好きだよ」
そっと隣に眠る彼女の額にキスを落とした。