休日の昼下がり。
お気に入りのパン屋さんでパンを買って、近くのベンチに腰掛けてランチにする。
「おっ、これ美味いな!」
「えへへ、そうでしょう?週に1回は食べたい!って思ってるの」
種類は少ないけれど、どれも美味しくて頬張った瞬間幸せになっちゃう。
ヴィルヘルムと食べることが出来て嬉しくて、それもあって自然と笑みがこぼれる。
「あ、ヴィルヘルム」
ふと彼の顔をみると口の端にマヨネーズがついていた。
手を伸ばし、親指でそっと拭いその指を舐めた。
「っ!!ラ、ラン・・・!」
「え?」
「今、おまえなにを・・・?」
真っ赤な顔をしてヴィルヘルムが私を凝視している。
「マヨネーズがついてたから」
「お・・おう、そうか」
ヴィルヘルムはたまに子供みたいなところがあって、その世話をついつい焼いてしまう。
やっぱり最初に出会ったときの子供ヴィルヘルムが印象強いからだろうか。
思い出すな、と言われてもついついそうしてしまう。
そうして自分がした行為を振り返り、ヴィルヘルムが赤面した理由に思い当たった。
「もしかして、恥ずかしかった?」
「・・・いや」
「そう?」
「早く食べろよ」
「う、うん」
仏頂面になりながらも耳が真っ赤な彼を見て、こっそりと笑う。
ヴィルヘルムってこういうところが可愛い。