夢みたいだ(和南×つばさ)

今まで生きていて俺の人生で、いくつか大きな転機があったと思う。
一つはこの業界に入ったこと。
一つはMooNsのメンバーになったこと。
一つはB-projectのメンバーになったこと。

そして、彼女に出会ったこと

 

 

 

 

収録が終わった帰り道。
今日はこの現場で仕事が終わりだということで、つばさと夕食を一緒に食べようという事になった。

「あ、でも…外で二人きりで食事とかしない方がいいですよね。
大したものは作れませんが、よければ私が作ります!」

好きな子の手料理を嫌だという男が存在するんだろうか。
俺はその申し出に嬉しすぎて、こくこくと首を縦に振った。

自分は感情を誤魔化すのが得意だと思っていた。
ポーカーフェイスだと。
確かにカメラが回っていれば難なく出来る事もあるが、つばさの前だとうまく取り繕えない。
もう少しかっこいいと思ってもらえるようにしたいのに。
どんな俺でも好きだと言ってくれるけど、やっぱりかっこいいと思ってもらいたいのは男としての見栄だろうか。

 

「どうぞ、あまり広くないんですけど」

「おじゃまします」

彼女の部屋に入るのは初めてだ。
部屋に入るとすぐ対面式キッチンがあって、その奥にソファやテーブル、テレビだったりがあった。
俺はソファに案内され、そこに腰を落ち着かせる。

「結構広いね」

「そうですか?皆さんのお部屋を見てると広すぎて、家に帰ってくると凄く小さく感じちゃいます」

「だけど、一人暮らしなら…」

周囲を見渡そうとして振り返ったのがいけなかった。
奥には彼女の寝室があった。
それくらいのことで、頬が火照る。

「お茶、どうぞ」

「あ!ありがとう!」

「すぐ作りますから待っててくださいね」

「う、うん」

麦茶が入ったグラスに手を伸ばす。
熱を冷ますために麦茶を飲むが、そんな視界の端にエプロンをつけたつばさがいて、それどころではなくなる。
家に来るというのはこういう事だ。
きっと彼女はそんな事考えていないだろうし、食事に誘われた時点で俺もそこまで考えていなかった。
だけど、彼女の部屋は…彼女の匂いがする。
それだけでクラクラしているのに、エプロン姿を見て、熱は上がる一方だ。

「つばさ」

「あ、麦茶のおかわりですか?」

空になったグラスのことだと思ったらしい彼女は俺の傍にやってくる。
グラスに伸ばされた手を掴むと、つばさが俺の方を向いた。
そして、俺の顔を見て頬を赤らめた。

「ま、増長さ…」

引き寄せると、そのまま唇を重ねる。
触れるだけのキスを数回繰り返しながら彼女の体をきつく抱き寄せる。
キスの合間に漏れる吐息にさえ、反応してしまう。

「つばさ…つばさ…」

「んっ…かずなさ…っふぁ」

彼女の愛らしい口で自分の名前が紡がれる。
その感動に震えそうになりながら、開いた口の隙間から舌を割り込ませる。
彼女の舌を追いかけるように口内をまさぐる。
唇と唇が触れると、まるで愛情がそこから伝わるような優しさがあるのに。
どうして舌が触れ合うと欲望めいてしまうんだろうか。
漏れる声が艶めく。
ようやく唇を離して、彼女を見つめた。

「つばさ…俺のものにしてもいい?」

つばさは、言葉の意味を理解したのか更に頬を紅潮させた。
そして俺の頬に優しく触れて、こう言った。

「私はもう和南さんのものです。だけど…その、ここじゃなくてあっちがいいです」

つばさは恥ずかしそうに寝室の方を指差した。
俺は頷くと、彼女を抱き上げた。

「えっ!?和南さん!」

「いいから、俺に任せて」

抱き上げると恥ずかしそうに俺の胸に顔をすり寄せる。
ベッドに下ろしてから、すぐキスをする。
啄ばむようなキスをしながら手は彼女の服を脱がせようと動かす。

「つばさ、脱がせていい?」

「…あまり見ないようにしてください」

上目遣いにそう強請られるが無理な話だ。
それにはにっこり笑って返事をせず、彼女の服を脱がせていく。
下着姿になった彼女を見て、頭に血が昇っていく感覚に襲われる。

「そ、そんなに大きくないんで…!あんまり見ないでください…!」

「それは無理だよ」

もう限界だった。
恥ずかしそうに頬を赤らめて体を隠そうとする手をベッドに押し付け、唇を塞ぐ。
ブラジャーを上にたくしあげるようにすると、彼女の胸の突起に触れた。
キスで口を塞がれているせいでくぐもった声しか出ないが、彼女の体が震えた。
指の腹で優しく突起を刺激しながらもゆっくりと胸を揉む。

「つばさの胸、やわらかい」

「んっあぁ…!そんなはずかしいこと…っ!!」

ちゅ、とつばさの頬に口付けると、そのまま体を下にずらしていく。
首筋に舌を這わせると彼女の声が漏れる。

「声、かわいい」

「んっ…あぁ…っ!」

下着をずらそうとすると、つばさの手が俺の手をおさえた。

「いやだった?」

「そうじゃなくて…かずなさんも脱いでください」

そう言って、俺のシャツをきゅっと握った。
彼女に触れたいばっかりに自分が脱ぐのを忘れていた。
俺は自分の着ているシャツを脱ぎ捨てた。

「……」

「どうかした?」

「…かずなさんはえっちです」

「え!?」

「どうしてシャツを脱ぐだけでそんなにえっちなんですかー!?」

つばさは赤くなった顔を両手で覆い隠してしまう。

「つ、つばさ?」

「ずるいです、かずなさん」

さっきから何度も何度も俺の名前を口にする。
それがいつもより少し舌足らずな感じがしてぐっと来る。

「つばさも俺にさわって?」

彼女の手を取ると、自分の腰当たりに触れさせる。
赤く染まった顔で俺を見上げる。

「…かずなさん、かっこよくてどうしていいかわかんないです」

ぷつりと理性の糸が切れた。

「つばさは俺だけを見ていてくれたらいいよ」

返事は聞かずに再び唇を塞いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「和南さんって…ずるいです」

「ん、どうして?」

腕枕をしていると、彼女が頬を膨らませた。
普段はトレードマークになっているポニーテールも、今は解かれていつもより大人に見える。

「私ばっかりドキドキしてた気がします」

そう見えていたなら良かった。
彼女をようやく自分のものに出来ると思ったら高揚と少しの不安でゴムをつける手が震えたなんて言えるわけがなかった。
初めて抱いた彼女の体は柔らかくて、温かくて、ずっとそうしていたいと思う程だった。
けど、全てが終わってこうして彼女が俺の腕の中にいてくれることの幸福はそれとは違った安らぎをくれた。

「俺もすごくドキドキした…つばさが綺麗で」

「もう…」

甘えるように彼女が擦り寄ってくる。
それが嬉しくて、俺は彼女の肩を抱く。
と、きゅぅと忘れていた空腹が訴え出した。

「…今日は僕がご飯つくろうか?」

「あ、そういえばご飯まだでしたね」

「うん、無理させちゃったから」

今さっきのことを思い出したのか、つばさが顔を赤くした。

「…っ」

「次こそはつばさの手料理、期待してます」

「はい…!
でも、今はもう少しだけ…このままでもいいですか?」

「うん、キミが望むならいくらでも」

ベッドの中、体を寄せ合うと愛を示すような優しいキスを交わした。

 

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