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行為が終わった後、動けない私の代わりにヴィルヘルムが身体を拭ってくれる。
その支度をするとき、いつも裸のままウロウロするから私はちょっと恥ずかしい。濡れたタオルで私の身体を拭き終わると、ヴィルヘルムもベッドに戻って私を抱き寄せてくれた。
「ねえ、今何時?」
「ん?ああ」
ヴィルヘルムは時計を確認する。
「もうすぐ0時だ」
「そっか」
いつもいつも私は彼が抱き寄せてくれると、甘えるように擦り寄った。
彼の腕の中がとても心地よいから。
「ヴィルヘルム」
「ん?」
「お誕生日、おめでとう」
時計を見ると、針が0をさした。
そう、今日は彼の誕生日。
「・・・おまえ」
「ヴィルヘルムの腕の中が好き。
あなたが私を大切にしてくれてることが伝わるから。
ヴィルヘルムと街に出掛けるのも好き。
森へ行くのも、どこに行くのだってそう。
ヴィルヘルムが帰ってくるのを待つのも好きよ」
あなたと過ごす時間。
あなたと離れている時間。
全てが愛おしいのは、あなたをあいしているから
「ありがとう、ヴィルヘルム。
生まれてきてくれて、ありがとう」
腕を伸ばして、彼の頭を抱き寄せる。
そして、いつも眠る私に彼がくれるキスのように私も彼の額にキスをする。
「あなたが大好きよ」
「ラン・・・」
ヴィルヘルムを見つめれば、目元が赤くなっていた。
「ありがとう、ラン」
「・・・うん」
「俺の隣にいてくれて、ありがとう。
俺を変えてくれてありがとう」
「・・・うん」
きつく抱き締めあう。
いつかの未来、私たちの子どもたちとあなたの誕生日をお祝いしたい。
私以外の誰かにとっても、あなたはかけがえのない存在になることを教えてあげたいから。
私とあなただけの世界じゃなくて、この世界は私達に優しいということを教えてあげたい。
「来年も再来年も、ずっとずっと先も・・・
こうやって一番にあなたにおめでとうって伝えるからね」
「じゃあ俺はおまえの誕生日にそうしてやる」
未来の約束を重ねていこう。
いつまでも、共にある誓いのように
Happy BIrthday Wilhelm !!